今なお多くの人が記憶する、ファミリアロータリークーペ、1970年の活躍ぶりを振り返る|R100スパ・クラシックレース参戦リポート Vol.1

アルファロメオGTAmやBMW2800CSを向こうに回し、一歩も譲らない戦いを披露。

       
【R100スパ・クラシックレース参戦リポート Vol.1】

1967年に発売されたコスモスポーツに続いて、ロータリーエンジン搭載車第2弾として登場したR100こと、ファミリアロータリークーペ。70年にスパ24時間耐久レースに初参戦すると、並み居る強豪を抑え21時間目までトップを快走する活躍を見せた! 甲高い独特のロータリーサウンドとともに多くのファンの記憶に残っている、その活躍ぶりを振り返ってみたい。

 スパ24時間耐久レースに、マツダが、R100クーペを持ち込んだのは1970年のことだ。10A型のロータリーエンジンを搭載したR100は、初参戦ながら驚くべきポテンシャルを発揮し、BMW2800CSやアルファロメオ2000GTAmなどの並み居る強豪を抑え、なんと残り3時間となる21時間目までトップを快走。


【画像60枚】カラーリング&ゼッケン&ドライバーは、赤=31号車=武智俊憲/片山義美、ブルー=32号車=片倉正美/クライブ・ベイカー(英国)、グリーン=33号車=ロガー・エネバー/ジョン・ハイン(英国)、ホワイト=34号車=イヴス・デプレス/ピエール・ベルティシャン(ベルギー)という布陣、4台態勢でスパに臨んだマツダなど

 惜しくも最後の3時間でエンジントラブルやアクシデントに見舞われたR100勢はリタイアを余儀なくされ、唯一残った1台が5位入賞を果たす。

 結果的には、出場4台中3台がリタイヤ。1台が5位入賞というものだが、この結果以上に、R100の活躍ぶりは、独特のロータリーサウンドのエンジン音とともに多くの人々の心に強い印象を残した。実は、予選から始まったR100の快進撃を目の当たりにした他チームから、オーバーフェンダーに対するクレームが入り、当初予定していたタイヤよりもワンサイズ小さなタイヤで本選を迎えることとなった。そのため設定していた許容回転数を上げて走行せざるを得ず、その負荷が最終的にエンジンブローにつながった。

 レースにたらればはないが、いずれにせよR100の快進撃は、それだけ大きなインパクトを与えたのだ。





満身創痍の状態ながら完走し5位入賞を果たした33号車。




34号車は地元ベルギー人の2人がドライブ。





予選6番手のタイムをマークし、12時間経過時点でトップを快走した武智/片山組の31号車。他の3台も、3位、4位、8位につけていた。


【2】【3】【4】【5】【6】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2015年 12月号 vol.172(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

R100スパ・クラシックレース参戦リポート(全6記事)

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text:NOSTALGIC HERO/編集部 photo : MASATO MIURA(MZ RACING/三浦正人(エムゼットレーシング)、MAZDA/マツダ、NOSTALGIC HERO/編集部

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