60年代にテレスコピックステアリング装備!|未来を示唆した独創のフォルム コスモスポーツ 3

整然と丸形メーターが配置されたダッシュボードのデザインは、翌68年7月にデビューしたファミリアロータリークーペのインテリアにも影響を与えた。メーターは右から水温、油温、タコ、スピード、電流、燃料、時計、そしてマップランプの順。

クーペが輝いていた時代
72年式 マツダ コスモスポーツ(L10B)


 自分の好きなクルマに乗りたい、と考えていた中尾さん。2009年2月にパシフィコ横浜で開催された第1回ノスタルジック2デイズに来場する。そこで、会場に展示してあった俳優・京本政樹さんの愛車であるコスモスポーツに目が留まった。

「じっくり隅々まで眺めましたが、その時、改めてカッコイイなと思いました。子供のころに感じた憧れが、再びふつふつとわき上がってきました」

 それをきっかけに販売車両を探していた3年半前、1台のコスモスポーツをインターネット上で発見する。

「自宅から遠方の販売店でしたが、ネット上の車両の説明書きと電話で話した担当者の印象から、実車確認をせずに思い切って購入を決意しました」

 手続きは順調に進み、車両は陸送で自宅に届けてもらった。

 到着後、エンジンの不調などもあり、快調に乗れるようになるまではしばらく時間がかかったが、中尾さんは粘り強く問題点を解決していった。
 
 REのオーソリティーとして知られる群馬県前橋市のガレージスターフィールドに持ち込んだことが突破口となり、現在はコスモスポーツが本来持つ性能を、思う存分楽しんでいる。


コスモスポーツのメーター
大径の3本スポーク木製ステアリングの奥には、240㎞/hまで刻まれたスピードメーターと、7000rpm以上がレッドゾーンとなっているタコメーターが備わっている。



コスモスポーツのセンターコンソール
オーナーの好みで、シフトノブはステアリングに合わせた木製の汎用品に換えてある。オリジナルのノブは外して大切に保管してあるそうだ。


コスモスポーツのシート
バケットタイプのリクライニングシートと前後調整が可能なテレスコピック・ステアリングコラムによって、最適なドライビングポジションをとることができる。


コスモスポーツのペダル
左端にフットレストが備わるABCペダル。アクセルとブレーキのペダル配置は、ヒール&トーがやりやすいように考えられている。





■OWNER’S Voice
 オーナーの中尾さんは、過去にヘビーデューティー4WDに凝ったことがあり、いすゞビッグホーンを3台乗り継いだ経験を持つ。
 クルマ好き、走り好きではあるが、国産旧車を所有するのは久しぶりになる。「子供が、欲しかったおもちゃを買ってもらった感じ」だそうで、朝起きるとコスモスポーツを見に行くこともあるとか。
 コスモスポーツオーナーズクラブに所属。サーキット走行などのイベントにも積極的に参加して、旧車のある生活を楽しんでいる。

コスモスポーツ
中尾さんによるサーキットでの走行の様子。気に入ったクルマを、とことん極めるスタイルのカーライフだ。

ビッグホーン
3台乗り継いだビッグホーン


掲載:ノスタルジックヒーロー 2014年12月号 Vol.166(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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