GTの名にふさわしい伝統の6気筒|1979年式 日産 スカイライン 2000 GT-E・S Vol.1

ヘッドライトは外側をHIDに変更。シビエのフォグランプは純正オプション品。ヘッドライトの汚れを清掃する高圧のジェット噴射式クリーナーはこのグレードだけに装備されたものだ。

       
【1979年式 日産 スカイライン 2000 GT-E・S Vol.1】

 前世代のL型エンジンを搭載して登場したことや、排ガス規制でエンジン出力を抑えられたことから、歴代スカイラインの中でもネガティブなイメージを持たれることも多い5代目のC210スカイライン、通称「ジャパン」。

 実際には、歴代スカイラインの中で4代目のC110スカイライン、通称「ケンメリ」の次に生産台数が多かった大人気モデルだ。しかし、発売時期が暴走族全盛時代だったこともあり、無理な改造をされた個体が数知れず、多くのクルマが廃車となり、生産台数に対し、現存数が極端に少ない。特に当時から乗り続けている車両となると、全国でもわずかというレベルだろう。

インジェクション仕様のL20E型エンジンを搭載する。レストア時もはがして作業し同じ位置に貼り付け直したという、購入した日産プリンス札幌のディーラーのステッカーなど【写真20枚】

 ジャパンは、発売期間を通じて数カ月ごとに特別仕様車が発売されたことでも特徴的だ。1978年3月に発売された「ブラッキー」、1979年3月に800台限定販売された「スカイロード」、1979年9月に特別記念価格で発売された「テクニクス」、1979年11月に発売された「スーパーGT by ミケロッティ」と「スーパーGT by カンパニョーロ」、1980年3月にゴールド塗装で発売された「ゴールデンカー」、81年3月に登場した「白いサラブレッド」、1981年11月に登場した「ターボ・リミテッド81」。

 この特別仕様車の中でも鮮やかなイエローボディで、1978年9月2、3日の2日間だけ限定販売されたのが「シティボーイ」。ハードトップ2000GT・Lタイプにだけ設定されたモデルで、価格は161.7万円。非対称ワイドスチールラジアル・ミシュランXVSを履き、シビエのハロゲン大型フォグランプ・オスカープラスを装着していた。




フロント同様、リアバンパーも17年前のオールペイント時に新品へと交換したもの。当時はまだ新品パーツの入手が可能だった。




リアトランクの上で存在感を示すフューエルリッド。ちなみに、これはレストア時にバンパーとともに手に入れた新品パーツだ。



1979年式 日産 スカイライン 2000 GT-E・S(KRBC)
SPECIFICATION 諸元
全長 4600mm
全幅 1625mm
全高 1390mm
ホイールベース 2615mm
トレッド前/後 1370mm/1355mm
最低地上高 160mm
車両重量 1195kg
乗車定員 5名
登坂能力 tanθ0.45
最小回転半径 5.2m
燃料消費量(2人乗車の場合) 25km/L
エンジン型式 L20E型
エンジン種類 水冷直列6気筒SOHC
総排気量 1998cc
ボア×ストローク 78.0×69.7mm
圧縮比 8.6:1
最高出力 130ps/6000rpm
最大トルク 17.0kg-m/4400rpm
変速比1速3.592/2速2.246/3速1.415/4速1.000/5速0.882後退3.657
最終減速比 4.111
燃料タンク容量 60L
ステアリング形式 リサーキュレーティングボール式(可変式)
サスペンション 前/後ストラット式独立懸架/セミトレーリングアーム式独立懸架
ブレーキ 前後ともディスク式
タイヤ 前後とも185/70HR14
発売当時価格 145.2万円


【2】【3】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2015年 12月号 vol.172(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1979年式 日産 スカイライン 2000 GT-E・S(全3記事)

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photo : KIYOSHI ICHIKAWA/市川 潔

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