カウンタックのレプリカもあるけれど、ダットサン100Aも展示。100Aって日本でいうとどのクルマなの?|エスポー自動車博物館/フィンランド エスポー Vol.2

1階展示室の背の高いクルマに囲まれた中に、白いクルマが一台。スーパーカーのキング、ランボルギーニ・カウンタックだと思ったら、V8エンジンのフォード車をベースにしたレプリカだそうだ。

       
【エスポー自動車博物館/フィンランド エスポー Vol.2】

【1】から続く

 樹木の多い風景によくなじんだ納屋風の木造建物の中は、まったく気取らない手作り感満載の雰囲気。約100台の展示車両がぎっしりと詰め込まれていたのに加えて、オートバイや自転車、はてはミシンや家電までもが館内に置かれていた。そこから伝わってきたものは、この国の人たちが好きだったものを保存しておきたいという気持ちの表れ、来館者へのメッセージだった。

フィンランドでとても人気だった1976年式ダットサン100A(ダットサン1000)など【写真22枚】

 現在は単に博物館という存在にとどまらず、カークラブのミーティングやツーリングの目的地として活躍するアクティブなエスポー自動車博物館。ヨーロッパのクルマ社会中心地からは少し離れたこの地に、さりげなく存在するこの博物館は、大切なものを保存しておきたいというフィンランドの人たちの心に合わせて、この国の歴史を静かに伝えてくれる存在に感じられた。

 日本からは遠い国だが、ヘルシンキを訪れる機会に恵まれたら、ぜひエスポーまで足を延ばしてみてほしい。




日本やアメリカでもすっかり見かけなくなった初代ホンダ・プレリュード。この展示車はホンダマチック搭載で、サンルーフなど中期型の特徴を持っていた。





2代目トヨタ・カローラが非常にきれいな状態で展示されていた。可愛らしいデザインの金属製のホイールカバーで装飾されていた半面、運転席側のみにつけられたドアミラーに大衆車らしい姿が見て取れた。


MUSEUM PROFILE
Espoon Automuseo

Bodomintie 35
02740 Espoo Finland(フィンランド)
http://www.espoonautomuseo.com/
ヘルシンキ空港からクルマで25分、
ヘルシンキ市内から35分
●開館時間 11:00〜17:00
●開館日 季節による(冬期は閉館)
●入館料 6ユーロ

田園風景の中のランドマークともいえるほどの建物が目印。木造の割に大きなこの建物は、元は1915年に建造された酪農研究所の馬小屋で、79年から博物館として利用されている。広い前庭は駐車場。建物の手前がスロープのついたメインの搬入口。左奥が博物館入口になっていて、さらに奥へと建物は延びている。





建物1階の中程にある博物館入口。入った瞬間には自動車博物館とは感じない、日本風に表現すれば昭和歴史館とでも言いたくなるような、どこか懐かしさを覚える雰囲気が漂っていた。





博物館のスタッフの皆さん。手前左側の青いジャケットを着たペルオロフ・エッレルさんが博物館全体を案内してくれた。右回りに、タルヤ・コッコネンさん、タピオ・コッコネンさん、ユッカ・コッコネンさん、スチューレ・エングストロムさん。消防車の脇はヘイッキ・ヒエタネンさん。


初出:ノスタルジックヒーロー 2015年 10月号 vol.171(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

エスポー自動車博物館/フィンランド エスポー(全2記事)

関連記事: 博物館へ行こう

text & photo:HISASHI MASUI/増井久志

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