ハコスカGT-Rが走った! 72年以前に製造されたクラシックカーが9日間で4000kmを駆け抜ける|グレートレース 2015 Vol.2

ビンゴスポーツGT-Rもゲートをくぐってスタート。この瞬間から9日間の過酷なレースがスタートした。

       
【GREAT RACE 2015 cross THE AMERICAN Six STATES Vol.2】

グレートレース2015に参戦、9日間で4000kmを駆け抜ける!  
6月20日から9日間にわたってアメリカで開催されたクラシックカーイベント「グレートレース2015」。
名古屋と東京にショールームを持つ中古車専門店「ビンゴスポーツ」から、スカイライン2000 GT-Rが参戦。
ナビゲーターとしてこのGT-Rに乗り込んだ自動車ライターの西川 淳さんに、レースのリポートをお願いした。

【1】から続く

ハコスカGT-Rでアメリカ大陸を走破 〜第2回〜

 そんなこんなで、今年の6月半ば、1969年式KGC10スカイライン2000GT-Rと武井社長(ドライバー)、そして筆者(ナビゲーター)は、ビンゴレーシングのスタッフを伴って、ミズーリ州セントルイス郊外の街・カークウッドでスタートの日を迎えたというわけだ。

日本から参加した、フェアレディZ432、SR311ダットサン2000、510ブルーバード1600SSS、トヨタ2000GT後期型等、8台の国産旧車など【写真21枚】

 参加資格があるのは、1972年以前に製造されたクラシックカー。今年は総勢130台がカークウッドに集まった。ミズーリ州をスタートし、オクラホマ州、テキサス州、ニューメキシコ州、アリゾナ州を抜け、ゴールのカリフォルニア州サンタモニカまで、なんと約4000kmもの道のりを9日間かけて走破するという雄大さである。

 もちろん、ラリーというからには競技もあって、いわゆるレギュラリティーランが1日、5〜7ステージ用意される。そのルールは至ってシンプル。コマ図で指定された速度で目印(たいていは道路標識や看板)と目印の間をいかに正確に走り切るか、を競う。頼るは、コマ図と公式マイル速度計とアナログ時計のみ(カーナビやスマホなどの電子機器は一切禁止)。発進や停止、カーブなどにおける加減速を考慮に入れつつ、指定された速度(25〜50mph)で走る、ただし、次の目印が出てくるまで何マイルあるか、そしていつ計測チェックされるかは分からない、という仕掛け。とてもシンプルだけれども、ハマるとのめりこんでしまうルールだ。




オクラホマ州エルクシティにある「ナショナル・ルート66ミュージアム」の看板の前で。レースのルート沿いにある人気観光スポットだ。





チーム・ジャパンのダットサン240Zを追走するビンゴスポーツGT-Rからの風景。クルマに負担を掛けず、着実に距離を稼いでいく毎日が続く。





ヒストリック・ルート66をひたすら西に走る。





今回130台が参加したグレートレース。参加車両の多くは、当然ながらビンテージのアメリカ車。まるで時代がタイムスリップしたような光景が楽しい。





今なおアメリカで人気のあるSR311ダットサン2000。日本仕様の右ハンドル車を持ち込んでの参戦。





レースの運営は、各地のボランティアのスタッフの協力がなければ成立しない。毎朝、一生懸命、計測のチェックと練習をする彼らの姿には感動。






名古屋ショールームに勤務する伊藤有希さんも、GT-Rのサービスチームのメカニック兼通訳として参加した。「車両整備を露天の駐車場などでやりました。工具も限られていて、オイルや消耗パーツなどはすべて現地調達でしのぎました。いい経験ができて会社に感謝しています」




【3】に続く


初出:ノスタルジックヒーロー 2015年 10月号 vol.171(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

GREAT RACE 2015 cross THE AMERICAN Six STATES(全3記事)



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text:JUN NISHIKAWA/西川 淳 photo:BINGO SPORTS/ビンゴスポーツ

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