もし、カラスとマクランサがなかったら・・・|童夢創設40周年 Vol.2

林氏台頭の原動力となった最初期の作品、カラスとマクランサ。ともに今回のセレモニーに合わせ復刻されたモデルだが、いずれも林氏自身が参画し陣頭指揮を執った場面もしばしばあったとか。

       
【童夢創設40周年 Vol.2(ふりかえり記事)】

【1】から続く

 セレモニー会場の入口には、この日のために復元されたカラスとマクランサが2台並べられ、さらに建物のメインエントランス横には童夢の名を一躍世界に広めた「童夢 零」も展示され、はた目にもかなり気合の入った「引退記念パーティー」であることが伝わってきた。

 一方の童夢は、米原の風洞施設を売却したり、童夢カーボンマジックを東レに売却したりと、組織を再編して新たな一歩を踏み出したばかりで、今回のセレモニーでは、高橋拓也新社長就任の紹介も同時に行われた。

ホテルの会場内に再現された五花街など【写真7枚】

 高橋新社長は自動車業界の出身でなく、経営者としての手腕を買われた結果の抜てきということだったが、新型スポーツカーの開発プロジェクトなど前向きな姿勢を示していた。今後の童夢、要注目である。

 林みのる/童夢としての活動は半世紀にも及び、どの時代もコンストラクターとして主導的な立場で活動を展開してきたが、やはり核となるのは「カラス」だろう。何もなかった時代に和製コンストラクターの口火を切り、モータースポーツ界発展の一里塚を築いた功績は大きい。もし、カラスとマクランサがなかったら、日本のレース界はどうなっていただろうか?  




童夢が世界的に知られるきっかけとなった童夢 零も展示され、セレモニーに花を添えていた。





童夢発展の過程で、童夢に対して貢献のあった人物に対し、林みのるさんから感謝の辞と記念のシリアルナンバー入り腕時計が贈られた。




初出:ノスタルジックヒーロー 2015年 10月号 vol.171(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

童夢創設40周年(全2記事)

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Text & Photo : AKIHIKO OUCHI/大内明彦

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