当時、世界一低い全高を持っていた「量産4ドア車」|1987年式 トヨタ カリーナED Gリミテッド Vol.1

トランク左端に装着されるグレードバッジ。

       

【1987年式 トヨタ カリーナED Gリミテッド Vol.1】

 運動性能や室内の広さなど、クルマを選ぶ基準はいくつもある。しかし、もっとも大きな要素となるのがスタイリング、そう「見た目」ではないだろうか。80年代には、4ドアボディながらセンターピラーを省き、美しいフォルムと開放感のあるキャビンを実現した「ピラーレス4ドアハードトップ」が大流行。トヨタが1985年に発表したカリーナED(以下ED)も、スタイリッシュなデザインで男性のみならず女性からも非常に人気が高かった。

 車名の通りカリーナの派生モデルとして登場したEDは、「品位ある美しさと十分な居住空間を持つ高性能4ドアハードトップ」をテーマに開発された。最大の見どころは、トヨタ初のセンターピラーレス4ドアハードトップを採用したこと。これにより従来の4ドアセダンでは見られなかったスマートなエクステリアデザインや、開放感あふれるグラスエリアを実現。

 それに伴い、当時の量産4ドア車としては世界で最も低い全高を実現したのだ。加えて、水平基調のベルトラインとワイドなトレッドにより、安定感のあるフォルムを作り出している。そして、車名の由来となっている「エキサイティング・ドレッシー(Exciting・Dressy)」というキャッチコピー通りの、刺激的で華やかなフォルムを手に入れたのである。



前方から見るとワイド&ローのフォルムがよくわかるはず。1987年のマイナーチェンジでマスクが小変更され、グリル内にフォグランプが設置された。
 

現代のクルマでは味わえない特権と言える、ワイドなサイドウインドーから生み出される抜群の開放感のセンターピラーレス4ドアハードトップなど【写真17枚】




T160系セリカなどと同デザインの14インチアルミホイールはGリミテッドのみ標準装備。なお、後期ではディッシュ状のデザインに改められた。





前期では、3S-GE型を搭載するGおよびGリミテッドのみ、迫力のあるデュアルエキゾーストパイプが装着される。



1987年式 トヨタ カリーナED Gリミテッド(ST162)
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4475×1690×1310
ホイールベース(mm) 2525
トレッド前/後(mm) 1465/1455
車両重量(kg) 1160
エンジン型式 3S-GELU型
エンジン種類 直列4気筒DOHC
総排気量(cc) 1998
ボア×ストローク(mm) 86.0×86.0
圧縮比 9.2:1
最高出力(ps/rpm) 160/6400
最大トルク(kg-m/rpm) 19.0/4800
変速比 1速2.810/2速1.549/3速1.000/
4速0.706/後退2.296
最終減速比 3.731
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション ストラット(前後とも)
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ 195/60R14(前後とも)
発売当時価格 215.0万円

【2】【3】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2014年 5月号 vol.25(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1987年式 トヨタ カリーナED Gリミテッド(全3記事)

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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