「悦楽のマテリアル」スペシャリティーと「そこに、罪な走りが眠る」スポーツ。ふたつの顔を持つFRクーペ|1992年式 日産 シルビア Q's SC Vol.2

スロープドセンターコンソールと呼ばれる、なだらかな傾斜を持つダッシュボードが特徴的。ソフトパッドを使ったりフルトリム化するなど、質感も非常に高い。なお、前期と後期ではステアリングのデザインが異なる。

       
シルビアという名をより多くの人に広め、人気を決定づけたのは、「アートフォース・シルビア」のキャッチコピーとともに登場した5世代目となるS13だろう。

【1992年式 日産 シルビア Q’s SC Vol.2】

【1】から続く

 「若い男女のカーライフをおしゃれに演出する、センスが良く走りが楽しい2ドアスタイリッシュクーペ」というテーマのもと、スペシャリティーカーとして人気を得た一方で、スポーツクーペとしての評価が高かったことも事実。

 DOHCターボエンジンや新開発のマルチリンク式リアサスペンション、先進の4WS機構であるハイキャスⅡ(中期以降はスーパーハイキャス)などのメカニズムを採用し、スポーティーなドライブフィールや走る楽しさをも追求したのだ。その結果、手ごろなサイズのボディとFRレイアウト、そしてターボエンジンというパッケージングを武器に、走り系ユーザーからも絶大な支持を得ることに成功。

 そして、6代目のS14が大型化したことも大きく影響し、生産終了から20年以上経った今でも非常に高い人気を維持している。このようにS13は、スペシャリティーカーとスポーツクーペというふたつの顔を持ち、全く異なる層のユーザーをとりこにしたのである。


後期型ではヘッドレストが別体となる、スペシャリティーなムードを大きく引き立てるモダンフォルムシートなど【写真17枚】



撮影車はアナログメーターだが、一部グレードではアナログのタコメーターとデジタルスピードメーターを組み合わせるハイブリッドメーター&フロントウインドウディスプレイもチョイス可能だった。




Q’s SCでは、オートエアコンが標準となる。ATシフトレバーは、インテリアにマッチする丸みを帯びたもので、デザイン性も非常に高い。なお、ミッションは全グレードで5速MTと4速ATを用意。



1992年式 日産 シルビア Q’s SC(PS13)
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4470×1690×1290
ホイールベース(mm) 2475
トレッド前/後(mm) 1465/1460
車両重量(kg) 1150
エンジン型式 SR20DE型
エンジン種類 直列4気筒DOHC
総排気量(cc) 1998
ボア×ストローク(mm) 86.0×86.0
圧縮比 9.5:1
最高出力(ps/rpm) 140/6400
最大トルク(kg-m/rpm) 18.2/4800
変速比 1速2.785/2速1.545/3速1.000/
4速0.694/後退2.272
最終減速比 4.111
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ストラット/マルチリンク
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ 205/60R15(前後とも)
発売当時価格 196.8万円

【3】に続く


初出:ハチマルヒーロー 2014年 5月号 vol.25(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1992年式 日産 シルビア Q’s SC(全3記事)

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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