楽しい思い出とともに「メンテナンスをしながら、路上復帰を目指して保管していくつもり」|1985年式 ホンダ プレリュード XX Vol.3

端正なフォルムは、スポーティー感とともにデートカーにふさわしいエレガントさも持ち合わせている。性別問わず、多くの若者がこのスタイリングに憧れたものだ。

       
初代シビックのイメージを引き継ぎながら、ひとクラス上のクルマとしてデビューしたのがプレリュード。
当時を知る人には妙に心に残る、そんなクルマでもある。

【1985年式 ホンダ プレリュード XX Vol.3】

【2】から続く

 こうして、スポーティークーペとしても一部のファンを「その気」にさせた2代目プレリュードだが、やはり本来のイメージはデートカー。しかし、ここで登場するオーナーは、ファミリーカーとして日々活躍する姿が鮮明に残っているそうだ。というのも、幼少のころ父親がプレリュード(2.0Si)を所有しており、家族旅行などによく出掛けていたとか。そして、当時の楽しかった思い出から「いつかは自分も手に入れたい」と強く思うようになったという。

FF車としては異例に低いボンネット内に搭載された1.8L直列4気筒SOHCのES型エンジンなど【写真18枚】

 このような背景から約1年前に手に入れたプレリュードだが、今後は諸事情によりしばらくナンバーを切る予定。ただし、本人が「もう二度と手に入らないと思う」と話すように、現存数はDR30やハチロクなどと比べると圧倒的に少ない。こんな状況ゆえ、「メンテナンスをしながら、路上復帰を目指して保管していくつもり」と語る。楽しい記憶を思い起こさせてくれるプレリュードと、末永く過ごしてほしいものだ。

OWNER’S VOICE

 今回の取材車両のほかにバネットやK10マーチも所有するオーナーだが、プレリュードに対する思いは格別。なぜなら、父親が乗って帰宅する姿を、自宅で毎日のように見ていたからだ。また、「車庫にバックで入ってくる姿をよく眺めていたので、リアスタイルは特に思い入れがあります」と話す。

 なお、本文で触れたように今後は一度ナンバーを返納する予定だそうだが、ストール癖のある気分屋のエンジンと、劣化が進んでいるウインドーシールは直したいとか。最後の1台となるまで、この状態を維持してほしいものだ。





タミヤ製プラモデルのパッケージ側面には、取材車両に似たボディカラーのイラストが。「最終的にはこんな雰囲気にしたいんです」と話す。





オーナーが所蔵するプレリュード関連のカタログ。国内向け仕様のほか、輸出仕様のものや当時大人気だったエアロパーツ「オートピスタ」のポスターサイズカタログも持っている! 


1985年式 ホンダ プレリュード XX(AB)
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4295×1690×1295
ホイールベース(mm) 2450
トレッド(mm) 1470(前後とも)
車両重量(kg) 990
エンジン型式 ES型
エンジン種類 直列4気筒SOHC
総排気量(cc) 1829
ボア×ストローク(mm) 80.0×91.0
圧縮比 9.4:1
最高出力(ps/rpm) 120/5800
最大トルク(kg-m/rpm) 15.6/4000
変速比 1速2.380/2速1.560/3速1.032/
4速0.777/後退1.954
最終減速比 3.875
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ダブルウイッシュボーン/ストラット
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ 185/70R13(前後とも)
発売当時価格 183.4万円


初出:ハチマルヒーロー 2014年 5月号 vol.25(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1985年式 ホンダ プレリュード XX(全3記事)

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : KAZUHISA MASUDA/益田和久

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