運転席側から容易くリーチできた助手席リクライニングレバー|1985年式 ホンダ プレリュード XX Vol.2

開放感を表現しつつ、機能的にレイアウトされたインパネ。ダッシュボード上にトレイを設置するのは、当時のホンダ車のトレンド。小径太グリップのステアリングスポーク部に設置されているのは、クルーズコントロールのスイッチ。

       
初代シビックのイメージを引き継ぎながら、ひとクラス上のクルマとしてデビューしたのがプレリュード。
当時を知る人には妙に心に残る、そんなクルマでもある。

【1985年式 ホンダ プレリュード XX Vol.2】

【1】から続く

 このように、スタイリッシュなルックスがフィーチャーされることは多々あるが、最先端の技術が取り入れられたことにも注目。

 なかでも、日本初の4輪アンチロックブレーキを採用したことは大きな話題となった。独自で開発したこのシステムは「4w ALB」と呼ばれ、一部グレードにオプションとして設定。また、この時代ではまだ珍しかった高張力鋼板を採用し、軽量かつ高剛性なボディを実現。さらに、電子技術を応用したカラーフィルター式液晶デジタルメーターなど、クルマにそれほど詳しくない人が見ても声を上げるような装備が盛り込まれていた。

よこしまな気持ちを持つ大人が、よからぬ行為に利用した、助手席サイドサポート部の側面に設置された可倒レバーなど【写真15枚】

 エンジンは当初、1.8LSOHCツインCVキャブのES型が全車に搭載されていたが、1985年には2LDOHCのB20A型を新たに搭載。このB20A型を積む2.0Siは、プライベートチームながら全日本ツーリングカー選手権にも参戦し、スポーティーな一面も見せたのである。




フロントシートはホールド性に優れるバケットタイプを採用。18段階のリクライニングと180mmのシートスライド量を確保し、さまざまなユーザーがベストなドライビングポジションをとることが可能。





リアシートの居住性は、クーペといえどもけっして悪くない。また、バックレストは可倒式のため、タイヤなどの大きな荷物も簡単に積めるという。


1985年式 ホンダ プレリュード XX(AB)
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4295×1690×1295
ホイールベース(mm) 2450
トレッド(mm) 1470(前後とも)
車両重量(kg) 990
エンジン型式 ES型
エンジン種類 直列4気筒SOHC
総排気量(cc) 1829
ボア×ストローク(mm) 80.0×91.0
圧縮比 9.4:1
最高出力(ps/rpm) 120/5800
最大トルク(kg-m/rpm) 15.6/4000
変速比 1速2.380/2速1.560/3速1.032/
4速0.777/後退1.954
最終減速比 3.875
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ダブルウイッシュボーン/ストラット
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ 185/70R13(前後とも)
発売当時価格 183.4万円


【3】に続く


初出:ハチマルヒーロー 2014年 5月号 vol.25(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1985年式 ホンダ プレリュード XX(全3記事)

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : KAZUHISA MASUDA/益田和久

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