日本へ戻ってきた約4万km走行の美麗な1台|1981年式 ホンダ アコード LX ハッチバック Vol.2

総走行距離は約4万kmと年式から考えるとあまりにも少ない。書類から前オーナーは女性だったことが判明。買い物程度にしか乗っていなかったのだろうか。

       
【1981年式 ホンダ アコード LX ハッチバック Vol.2】

【1】から続く

 70年代後半から80年まではFR車が主流の時代。そこにFF車、しかもアダルト層向けアコードは珍しい存在であった。

 ホンダは成熟していない市場に対し、機構的付加価値による販売的アプローチを行った。

 アコードが発売された時期は第二次オイルショック後で、燃費に関してユーザーの関心は高かった。そこでインテークバルブ直後に副燃焼室を設けたCVCC機構を採用し、エンジンの燃焼効率を上げた。

アイドル調整、バキュームホースレイアウトのステッカーも残っているほど、美しい状態を保つボンネット裏など【写真22枚】

 また、走行条件にあわせて混合気の燃調と、EGRガスを吸気に循環させる比率をコントロールするラピッド・レスポンスコントロールシステムを採用。点火方式もフルトラで、燃焼を正常にする環境を整えるため、エンジン温度を適正に保つオイルクーラーを装備した。

 足まわりは、アッパーグレードらしい乗り味を追求するため、4輪独立懸架とし、オフセットスプリング式リヤサスを採用。FF車では「付いているだけ」の印象が強いリアサスだが、アコードに使われていたのは、ダンパーの角度に対してスプリングシートをずらすもの。この機構によって、バンプしたときにスプリングの初期動作がダンパーの動きをジャマしない設計になっている。これによってよりしなやかに動くようになっているのだ。

 後席の乗員のこともしっかり考えて用意されたリアの装備だけでも、アコードの作り込みと対象購買層へのアプローチが想像できる。



北米仕様は1.8Lのみ。当時からネット表記なのでカタログ値は75hpとなっている。




車載工具もすべて揃っていて、使用した形跡もない。ビニール製の車載工具袋も、硬化してないし切れてもない。これも希少。





スペアタイヤも状態がいいものが積んである。トランクフロアの状態も信じられないくらいキレイ。



1981年式 ホンダ アコード LX ハッチバック(北米仕様)
SPECIFICATIONS 諸元
全長 4145mm
全幅 1620mm
全高 1340mm
ホイールベース 2380mm
トレッド前/後 1400mm/1390mm
最低地上高 165mm
室内長 1745mm
室内幅 1315mm
室内高 1120mm
乗車定員 5名
車両重量 860kg
エンジン形式EF CVCC水冷直列4気筒SOHC
総排気量 1750cc
ボア×ストローク 77.0mm×94.0mm
圧縮比 8.8:1
最高出力 75hp/4500rpm
最大トルク 93.3lb.ft/3500rpm
燃料タンク容量 50L
サスペンション形式 マクファーソンストラット
ブレーキ前/後 ディスク/PCV付きリーディングトレーリング
タイヤサイズ 165SR13



【3】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2014年 5月号 vol.25(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1981年式 ホンダ アコード LX ハッチバック(全3記事)

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