発売当時価格 185万円! 初代フェアレディZの最高峰、S20型エンジンを搭載した432Z|1970年式 日産 フェアレディ Z432 Vol.1

リアスポイラーもボディ同色としたオーナーのZ432。

       
【1970年式 日産 フェアレディ Z432 Vol.1】

 北米や日本を中心に高い人気を誇ったS30型フェアレディZ。1969年の登場から約10年間にわたって生産が続けられ、世界総販売台数は55万台に達した。それゆえバリエーションも豊富で、国内仕様だけを見てもL20型エンジンを搭載したZ&Z‐Lを筆頭に、L24型を積む240Z、それをベースにGノーズやオーバーフェンダーをまとった240ZGなどが存在。なかでも生産台数は420〜430台と非常に希少なのが、今回紹介するZ432(PS30)だ。

 S30Zの最高峰ともいえるこのモデルでは、ボンネットの中にスカイライン2000GT‐R(PGC10)と同じS20型エンジンを収める。「4バルブ、3キャブレター、2カムシャフト」という当時のレーシングカーなみのメカニズムから「Z432」と名付けられた。

 S20型エンジンは、レーシングカー譲りのクロスフローヘッドや国産初のフルトランジスタも投入され、最高出力160psを発揮。ロングノーズ&ショートデッキによる流麗なスタイルにより、最高速は210km/hに達した。


純正マグネシウムホイールのレプリカとなるアルミホイールなど【写真25枚】



リアクオーターに付くエンブレムは、初期型のみに採用されたタイプで、エアアウトレットの穴がない仕様。




リアガラス下のエアアウトレットは初期型の特徴。ただし、ここから排気ガスが車内に入ってくるためマイナーチェンジで廃止され、リアクオーターエンブレムからエア抜きする方式へ変更された。リアガラスの熱線がタテに入っているのもポイントだ。






特徴的なタテ2連マフラーは432の標準。腐食の心配がないオールステンレス製のマフラーをワンオフ。


1970年式 日産 フェアレディZ432(PS30)
SPECIFICATIONS 諸元
全長 4115mm
全幅 1630mm
全高 1290mm
ホイールベース 2305mm
トレッド前/後 1355/1345mm
最低地上高 165mm
室内長 835mm
室内幅 1390mm
室内高 1070mm
車両重量 1040kg
乗車定員 2名
最高速度 210km/h
登坂能力 sinθ0.462
最小回転半径 4.8m
エンジン型式 S20型
エンジン種類 水冷直列6気筒DOHC
総排気量 1989cc
ボア×ストローク 82.0×62.8mm
圧縮比 9.5:1
最高出力 160ps/7000rpm
最大トルク 18.0kg-m/5600rpm
燃料供給装置 ソレックス40PHH×3
変速比 1速 2.957/2速 1.858/3速 1.311/4速 1.000/5速 0.852/後退 2.922
最終減速比 4.444
燃料タンク容量 60L
ステアリング形式 ラック&ピニオン式
サスペンション 前後とも独立懸架ストラット式
ブレーキ前/後 ディスク/リーディングトレーリング
ホイール 5.5Jマグネシウム製
タイヤ 前後とも 6.95H-14-4PR
発売当時価格 185万円


【2】【3】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2015年 10月号 vol.171(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


1971年式 日産 フェアレディZ(全3記事)

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text : DAISUKE ISHIKAWA/石川大輔 photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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