ミケロッティ作の繊細なデザイン|幻の名車 プリンス スカイラインスポーツ パート1

初代ALSIスカイラインを生み出した富士精密工業は、1961年2月に社名をプリンス自動車工業に変更した。その直後の同年4月に発売されたのが、流麗なイタリアンデザインのボディをまとったスカイラインスポーツだった。

 スカイラインは57年のデビュー以来、1.5Lエンジンを搭載してきたが、そのシャシーを用いてイタリアのカロッツェリア(デザイン工房)にボディデザインを依頼することを計画。当時30代後半だった気鋭のデザイナー、ジョバンニ・ミケロッティに託すことになった。パワープラントはグロリア用の1.9L、GB4型エンジンを選択。もともと当時のスカイラインとグロリアはエンジン排気量の違う兄弟車であり、パワーに余裕のあるほうを選んだということだろう。

 イタリアに送られたシャシーをベースにミケロッティがプロトタイプをデザイン。ボディの製作はカロッツェリア・アレマーノが担当した。完成したクーペとコンバーティブルの2台のプロトタイプは、60年11月に開催された第42回トリノショーで初披露され、現地イタリアのみならず欧州でも大きな話題となった。海外デザイナーにデザインを依頼する手法の先駆けとなったわけで、これに続く日本メーカーが後に何社も出てくることになる。

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斜めのヘッドライトの角度は左右で違う。車体右側がほんの少しだけ立てて装着されている。


海外のデザイナーにボディデザインを依頼するという手法を採ったことで、この見事なプロポーションが世に送り出されたわけだが、当時のプリンスの関係者はこの冒険的なプロジェクトをよく決断したものだと感心する。


ウインカー用の橙色のレンズを最初から組み込んでいるクルマは、当時はごくまれだった。


フロントグリルのプリンスの「P」マーク。


フロントフェンダーのプリンスエンブレム。


リアフェンダーのスカイライン スポーツのエンブレム


フロントフェンダーのプリンスマーク。


ミケロッティ(STUDIO g.michelotti)のエンブレム。どれも繊細なデザインが施され、デザイナーの思いが込められている気がする。


掲載:ノスタルジックヒーロー 2017年6月号 Vol.181(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

photo:Isao Yatsui/谷井 功

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