「速さはそこそこでいいから、良好なコンディションを保ち、いつまでもきれいに乗り続けたい」|1975年式 日産フェアレディ Z-L Vol.2

前後のオーバーフェンダーと合わせたツヤ消しのフロントスポイラーでレーシーな雰囲気。ガラスやモール類は新品へと交換し、塗装はグランプリホワイトで塗り直し、徹底的に磨き上げている。

       
【1975年式 日産フェアレディ Z-L Vol.2】

【1】から続く

 純正色&ノーマルシルエットの美しい美品としてよみがえらせることにこだわったオーナー。エンジンに関しては、調子がいいため、内部には手をつけてはいない。

「L28型+ソレックスであるのは間違いないですが、詳細は分かりません。おそらくL28型改3Lだと思いますけど、開けて見ていないのでヘッドも腰下もスペックは不明です」と、オーナー。エンジンに関しては今後、OHを含めて仕上げていく予定とのこと。

「速さはそこそこでいいから、良好なコンディションを保ち、いつまでもきれいに乗り続けたい」というのが一番の願い。510ブルからS30Zに乗り継ぎ、自分と同年代の旧車でもやるべきことをやれば、普通に乗れることが分かってきた。無理に手を入れすぎず、大切なダイキャストモデルを扱う感覚で、愛車と向き合っているのだ。

OWNER’S VOICE/板金塗装が仕事ですが、旧車は仕事では受けません

「以前は、生まれた年の510ブルに乗っていました。その頃からZは『心の一番機』と呼べるほど特別な存在でした。240ZGを持つオーナーさんに譲ってもらい、セルフレストアをスタートさせましたが、板金塗装業で本当に良かったです。スキルを試すことができる絶好の機会ですが、あくまでも完全プライベートだと割り切って取り組んでいます。だからこそ、出来上がった作品に対して強い愛着を持てるのだと思います」とオーナー。



純正が動かなかったため、LEDのウインカー表示ランプを埋め込んで使っているオートメーター製に変更されたタコメーターなど【写真11枚】






シートは運転席側にダッツンバケットを装着し、助手席側にはノーマルを装備。ちなみにベース車は、S30の最後期モデルのため、インパネやドア内張りなどの装備が豪華になっている。





キャブレターはソレックス44PHHをOH。ウエットブラスト仕上げにより、まるで新品状態。タコ足はフジツボ、マフラーはパイプの取り回しが気に入っているトラストだ。



初出:ノスタルジックヒーロー 2015年 10月号 vol.171(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


1975年式 日産フェアレディ Z-L(全2記事)

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text : HIROSHI SHOMATSUMOTO/正松本 宏 photo : RYOTA-RAW SHIMIZU/清水良太郎

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