1971年4月、20代でZを手に入れたオーナー|1971年式 日産 フェアレディZ Vol.1

Zが納まるガレージは、前のページの写真のシャッターの中。宮大工の職人による「竹生島神社客殿」らしく、内部も白木の素晴らしい造り。

       
初代S30フェアレディZがデビューしたのが1969年のこと。後期型となるS31の販売も78年で終了した。当時は、高度成長期であったとはいえ、趣味性の高い2シーターのスポーツモデルであるS30Zを購入できるのは、ごく限られた裕福な人。しかも、20代のオーナーとなると、極めて少数だった。そんなオーナーに、S30Zを購入するに至ったエピソードを聞いてみた。

 今回紹介するS30ZのオーナーにS30Zを購入するに至ったエピソードを聞いてみた。

【1971年式 日産 フェアレディZ Vol.1】


【画像16枚】1回転(10万km)の「08980」という実走を示すメーターやメーカー不明の当時気に入って装着したアルミホイールなど


「当時は27歳で、仕事では軽のワンボックスに乗っていましたが、スポーツカーが欲しかったんです。ただし、フェアレディ(SR311)はオープンだったので買えないなと思いをはせていたんです。クーペがあったらと思っていたところ、Zがデビューしたんです。もうこれしかないと思って、デビューから1年後に、親を説得して新車のZを買ってもらいました。さすがに432は高くてダメでしたね」とオーナー。

 晴れてZが納車されたのは44年前の1971年4月30日だったそうだ。

「このあたりではZに乗ってる人はいなかったと思います。私が買った後で何台か見るようになりましたが、それでも数は少なかったと思いますよ」と44年前を振り返って語ってくれた。




リアゲートの「Fairlady Z」エンブレムは、斜めに装着されるのが純正のスタイル。その下に「NISSAN」のエンブレムが装着される。





リアクオーターのオーナメントは、エアアウトレットの機能が追加されたタイプ。最初期モデルは穴のないオーナメントだった。






1971年4月30日にオーナーの元に納車され、その後、44年間ワンオーナーのまま。今回の復活で全塗装されたが、部品は類は当時のまま。

1971年式 日産 フェアレディZ(S30)
SPECIFICATIONS 諸元
全長 4115mm
全幅 1630mm
全高 1285mm
ホイールベース 2305mm
トレッド前/後 1355/1345mm
最低地上高 160mm
室内長 835mm
室内幅 1390mm
室内高 1070mm
車両重量 975kg
乗車定員 2名
最高速度 185km/h
登坂能力 sinθ0.423
最小回転半径 4.8m
エンジン型式 L20型
エンジン種類 水冷直列6気筒SOHC
総排気量 1998cc
ボア×ストローク 78.0×69.7mm
圧縮比 9.5:1
最高出力 130ps/6000rpm
最大トルク 17.5kg-m/4400rpm
燃料供給装置 SU型×2
変速比 1速 3.549/2速 2.197/3速 1.420/4速 1.000/後退 3.164
最終減速比 3.700
燃料タンク容量 60L
ステアリング形式 ラック&ピニオン式
サスペンション 前後とも独立懸架ストラット式
ブレーキ 前/後ディスク/リーディングトレーリング
タイヤ 前後とも6.95H-14-4PR
発売当時価格 93万円


【2】【3】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2015年 10月号 vol.171(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


1971年式 日産 フェアレディZ(全3記事)

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photo : RYOTA-RAW SHIMIZU/清水良太郎

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