ヘアライン風のボディカラーに、上質に仕上げられたコクピット|1970年式 ダットサン ブルーバード2ドア 1300 DX Vol.4

ドアの内張りはレザーとアルカンターラで仕上げ、ビレットのドアハンドルなどを採用。

       
国内外の旧車を30台以上も乗り継いできたオーナー。息抜きのつもりで購入したKP61でコンパクトスポーツの魅力に覚醒。サニトラなどを経て、軽量かつコンパクトで普段使いも快適にこなせる相棒として、510ブルーバードを選んだ。その中でも、かつてアメリカのレースシーンで活躍した2ドアセダンをベースにしているのがコダワリだ。

【1970年式 ダットサン ブルーバード2ドア 1300 DX Vol.4】【3】から続く

 走行5万km、屋内保管の1オーナー車を手に入れたこともあり、幸いにもボディにはサビや腐食もなく、補修の必要はなかったが、増大したパワーに合わせてボディ補強を決意。ただし、510ブルはもともとボディ剛性が高く、ストリート仕様であればスポット増しまでは不要と判断。ロールバーにはサイドバーとバルクヘッド貫通タイプのバーを追加し、リアタワーバーは溶接固定とするなど、ポイントを押さえた最小限の補強を施している。

【画像35枚】追加メーターを並べるのは好みではないため、コンソール内にスタックのメーターを搭載して、水温、油温、燃圧などの車両情報を集約したコクピットなど

 外装はアイボリーの塗装面にサンドペーパーがけを行い、その上にクロームメッキ調の塗料をペイントしてマットクリアで仕上げ、アルミヘアライン風に演出。モールもマットな質感でペイントを施し、トーンを合わせる。

「イメージは昔の戦闘機です」とオーナー。また、シンプルですっきりとしたシルエットを追求して、燃料タンクを純正から安全タンクに変更。不要となった給油口はスムージングされる。

 車内は後部座席を外して2シーターに変更するが、競技車両のような鉄板剥き出しの殺風景な仕様を嫌い、アルミの隔壁の上には内装を与えて座席風にアレンジ。ロールケージも「剥き出しやレース用のロールバーパッドは武骨な印象が否めない」と、脱着できるアルカンターラのパッドをオーダー。その他のパートもレザーやアルカンターラに張り替え、ダイヤキルトやオレンジのダブルステッチなども積極的に導入。エンジンフィールなどと同様に、いい意味で旧車であることを感じさせない空間に仕上がっている。

OWNER’S VOICE

「オーバーフェンダーは装着せず、あえてナローボディを維持しながらパフォーマンスを高めてきました」と話すオーナー。エンジン、足まわり、内外装と完成度が高く、他に所有する車両を手放したとしても、この510ブルーバードはずっと乗っていたいそうだ。







コンソール内にスタックのメーターを搭載して、水温、油温、燃圧などの車両情報を集約。





センターコンソールにはウオーターポンプのスイッチやメーターのファンクションスイッチを集約。ETCやスタートボタンの周囲もカッティングシートでカーボン風にアレンジ。





ルームミラー上に取り付けられたモニターには、両サイドとリアに取り付けたカメラからの映像がリアルタイムで映し出される。


1970年式 ダットサン ブルーバード2ドア 1300 DX(510)
SPECIFICATIONS 諸元
●エクステリア:ヘアライン風ボディカラー、ステップモール&フューエルリッドスムージング、カーボン製前後バンパー/フロントスポイラー/ボンネット/トランク/トランクリッド、シビエ製スーパー4(ラリー用)+HID、ワンオフLEDテール、7点式ロールケージ+左右サイドバー+バルクヘッド貫通補強
●エンジン:L20B型用サファリヘッド+Z20型ブロック改2301cc(ブロックフィラー充填)、ボアφ89.25mm×ストロークφ92mm、圧縮比12.3:1、亀有製77Iカム(308度/10mmリフト)、/L型用ビッグバルブ(INφ46mm、EXφ38mm)/SPLバルブスプリング/鍛造φ89.25mmレーシングピストン、ライジング製RB30型用H断面コンロッド、純正Z22型クランク、ATI製ダンパープーリー
●点火系:SR20DET型用ダイレクトイグニッション/クランク各センサー
●吸排気系:ハセガワパワーサービス製インジェクション/φ48mmスロットルボディ(HKS製Vプロ制御)/手曲げ等長φ48mmステンレスタコ足(4-1)/φ70mmステンレスマフラー
●燃料系:FUELSAFE製45L安全タンク、RSターボ用燃料ポンプ、オリジナルコレクタータンク
●冷却系:DATSPORTS製アルミラジエーター、Earl’s Performance製オイルクーラー、CSR Performance製電動ウオーターポンプ、EMP/Stewart Components製電動ウオーターポンプ
●駆動系:OS技研製ツインプレートクラッチ、S15シルビア用6速ミッション、ニスモR180デフ(ファイナル4.11)、SYMS製アルフィンカバー、Wolf Creek Racing製CVシャフト
●操舵系:エンジンメンバー加工、S30Z用ラック&ピニオンステアリングラック移植
●サスペンション:(F)ハセガワパワーサービス製車高調(バネレート7.0kg/mm)/スタビライザー、Techno Toy Racing製 ピロロワアーム ピロテンションロッド、S30Z用ステアリングラック移植、テンションロッドリロケート、MADDAT製5Hカスタムビレットハブ/ピロアッパーマウント (R)ハセガワパワーサービス製コイルオーバー車高調/スタビライザー、DATSPORTS製調整式リアクロスメンバー、セミトレアーム強化&ショックマウントリロケート、S31Z後期5Hハブ
●ブレーキ: (F)エンドレス製4ポットキャリパー+φ276mmローター (R)R31スカイライン用キャリパー+φ260mmローター、ラインロック
●インテリア:Stack製メーター(ST8100)、レカロ製フルバケットシート(SPG-N)、内装アルカンターラ&ビニールレザー等で張り替え、アルカンターラ&ダイノックシート張りダッシュボード、ワンオフメーターパネル、Ididit製チルトステアリングコラム(ブラッシュドステンレス)
●タイヤ: ブリヂストン ポテンザRE050 195/45R17
●ホイール: Rotiform Forged Race SJC (F)17×7J ±0(R)17×8J +31


初出:ノスタルジックスピード 2016年 7月号 vol.010(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1970年式 ダットサン ブルーバード2ドア 1300 DX(全4記事)

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text : HIROSHI SHOUMATSUMOTO/正松本 宏 photo : RYOTA-RAW SHIMIZU/清水良太郎

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