「随所に見所を用意したかった」高い完成度で普段使いができる快適2ドアセダン|1970年式 ダットサン ブルーバード2ドア 1300 DX Vol.1

「オーバーフェンダーは装着せず、あえてナローボディを維持しながらパフォーマンスを高めてきました」と話すオーナー。エンジン、足まわり、内外装と完成度が高く、他に所有する車両を手放したとしても、この510ブルーバードはずっと乗っていたいそうだ。

       
【1970年式 ダットサン ブルーバード2ドア 1300 DX Vol.1】

「随所に見所を用意したかった」というオーナーの狙い通り、トータルで高い完成度を誇る510ブルーバード。Z20型改2.3Lエンジンは名機LR20B型のサファリヘッドが組み合わされ、さらにスポーツインジェクション化を敢行。一方、クロームメッキ調の塗装を駆使することで、アルミヘアライン風の質感が与えられた外装は硬派な仕上がり。これに対して内装はレザーやアルカンターラなどの素材を厳選し、居心地のいい空間に仕立てられる。

 国内外の旧車を30台以上も乗り継いできたオーナーは、現在も1932年式フォード3Wクーペなど、複数の名車を所有している。国産ではハコスカに長く乗っているうちにハードチューンにのめり込み、現在も4ドアセダン最速を狙って製作を進めているそうだ。


【画像35枚】アイボリーの塗装面にサンドペーパーがけを行い、その上にクロームメッキ調の塗料をペイントしてマットクリアで仕上げ、アルミヘアライン風に演出したボディなど

 そんなオーナーが510ブルーバードと出合うきっかけとなったのは、息抜きのつもりで購入したKP61だった。AE92の4A‐G型を換装して楽しんでいたが、これでコンパクトスポーツの魅力に覚醒。サニトラなどを経て、軽量かつコンパクトで普段使いも快適にこなせる相棒として、510ブルを選んだ。その中でも、かつてアメリカのレースシーンで活躍した2ドアセダンをベースにしているのがコダワリだ。





カーボンミラーを取り付けているが、どうしても死角が多くなっているのが気になる。そこで視野不足をカバーするためにカメラを設置したそうだ。






LR20B型サファリヘッドを搭載、本場仕込みのプロツーリングスタイル



1970年式 ダットサン ブルーバード2ドア 1300 DX(510)
SPECIFICATIONS 諸元
●エクステリア:ヘアライン風ボディカラー、ステップモール&フューエルリッドスムージング、カーボン製前後バンパー/フロントスポイラー/ボンネット/トランク/トランクリッド、シビエ製スーパー4(ラリー用)+HID、ワンオフLEDテール、7点式ロールケージ+左右サイドバー+バルクヘッド貫通補強
●エンジン:L20B型用サファリヘッド+Z20型ブロック改2301cc(ブロックフィラー充填)、ボアφ89.25mm×ストロークφ92mm、圧縮比12.3:1、亀有製77Iカム(308度/10mmリフト)、/L型用ビッグバルブ(INφ46mm、EXφ38mm)/SPLバルブスプリング/鍛造φ89.25mmレーシングピストン、ライジング製RB30型用H断面コンロッド、純正Z22型クランク、ATI製ダンパープーリー
●点火系:SR20DET型用ダイレクトイグニッション/クランク各センサー
●吸排気系:ハセガワパワーサービス製インジェクション/φ48mmスロットルボディ(HKS製Vプロ制御)/手曲げ等長φ48mmステンレスタコ足(4-1)/φ70mmステンレスマフラー
●燃料系:FUELSAFE製45L安全タンク、RSターボ用燃料ポンプ、オリジナルコレクタータンク
●冷却系:DATSPORTS製アルミラジエーター、Earl’s Performance製オイルクーラー、CSR Performance製電動ウオーターポンプ、EMP/Stewart Components製電動ウオーターポンプ
●駆動系:OS技研製ツインプレートクラッチ、S15シルビア用6速ミッション、ニスモR180デフ(ファイナル4.11)、SYMS製アルフィンカバー、Wolf Creek Racing製CVシャフト
●操舵系:エンジンメンバー加工、S30Z用ラック&ピニオンステアリングラック移植
●サスペンション:(F)ハセガワパワーサービス製車高調(バネレート7.0kg/mm)/スタビライザー、Techno Toy Racing製 ピロロワアーム ピロテンションロッド、S30Z用ステアリングラック移植、テンションロッドリロケート、MADDAT製5Hカスタムビレットハブ/ピロアッパーマウント (R)ハセガワパワーサービス製コイルオーバー車高調/スタビライザー、DATSPORTS製調整式リアクロスメンバー、セミトレアーム強化&ショックマウントリロケート、S31Z後期5Hハブ
●ブレーキ: (F)エンドレス製4ポットキャリパー+φ276mmローター (R)R31スカイライン用キャリパー+φ260mmローター、ラインロック
●インテリア:Stack製メーター(ST8100)、レカロ製フルバケットシート(SPG-N)、内装アルカンターラ&ビニールレザー等で張り替え、アルカンターラ&ダイノックシート張りダッシュボード、ワンオフメーターパネル、Ididit製チルトステアリングコラム(ブラッシュドステンレス)
●タイヤ: ブリヂストン ポテンザRE050 195/45R17
●ホイール: Rotiform Forged Race SJC (F)17×7J ±0(R)17×8J +31


【2】【3】【4】に続く

初出:ノスタルジックスピード 2016年 7月号 vol.010(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


1970年式 ダットサン ブルーバード2ドア 1300 DX(全4記事)

関連記事: 次世代の旧車スタイル

関連記事: ブルーバード

text : HIROSHI SHOUMATSUMOTO/正松本 宏 photo : RYOTA-RAW SHIMIZU/清水良太郎

RECOMMENDED

RELATED

RANKING