レカロは純正同様の本革に張り替え、当時のディスクにディープリムを合わせたBBS|1985年式 ソアラ3.0GTリミテッド Vol.4

ロングストロークの6M-G型エンジンを、高回転までブン回すための秘策の数々!

       
【1985年式 ソアラ3.0GTリミテッド Vol.4】

【3】から続く

「まだ慣らし中ですが、以前とはトルク感が別モノですね。NAのM型ベースでやれることは、すべてやったという感はあります。このエンジンは約300㎰。最高7500rpmまで回したいです」と話す。

 もちろんこのソアラの見所はパワー系のみに留まらない。シートは純正同等の本革生地を入手して染め、電動レカロシートを張り替えてセット。メーターまわりもワンオフで製作。また、当時のBBS RSホイールは、深リム仕様に変更して装着した。

 オリジナル車高調をセットした足まわりは、調整式フロントAアームをワンオフ。適度なキャンバーを付けることで絶妙なツライチに。またブレーキは前後ともブレンボ製キャリパーをセットするなど、どこを見ても完ぺきな作り込みだ。

 外観はノーマル風だが、中身はフルチューン&カスタムという「羊の皮を被った狼」仕様へと生まれ変わったこのマシン。オーナーの揺るぎない情熱、それにこたえるチューナーの本気が見事にリンクして完成した、究極のMZ12ソアラといえるだろう。

OWNER’S VOICE

「子供の頃、モニターにメーターが映し出される10ソアラのエレクトロマルチビジョンを見て、その未来的な装備に心底ビックリしましたね。家族のバックアップもあり、いまでは10ソアラを3台、20ソアラを2台所有と、どっぷりハマっています。でも、とにかく流通パーツが少ないので仕上げるのは大変。ワンオフや流用のオンパレードですが、そんなわがままにもしっかりと対応してくれることに感謝しています」と楽しそうオーナーは語ってくれた。



レカロ製の電動モデルであるCクラシックながら、純正と同様の本革に張り替えているシートなど【写真38枚】



純正のイメージを一新する整然と並ぶアナログメーターがレーシーな雰囲気。中央に収まるのは、1万rpmスケールのスミス製タコメーターだ。





車検に必要なオドメーターは、インパネの左下に違和感なく埋め込む。こうした細かいところまでキッチリと仕上げることで、クルマの完成度がさらに高まる。





クルマのキャラクターを考え、インパネはタコメーターをメインにしたアナログ仕様。そのため、デジタルのスピードメーターはインパネの右下にさりげなく埋め込んだ。



1985年式 ソアラ3.0GTリミテッド (MZ12)
SPECIFICATIONS 諸元
●エンジン:6M型改3.2L仕様、圧縮比12.5、φ85.5mmハイコンプピストン(ショートピンハイト)、クロモリI断面コンロッド、フルカウンタークランクシャフト(軽量ダイナミックバランス加工)、ハイリフトカムシャフト(288度)、軽量バルブ(IN:φ46.5mm、EX:φ38mm)、強化バルブスプリング、チタンバルブリテーナー、強化バルブコッター、ラッシュキラー、強化メタル、メタルヘッドガスケット、ポート研磨、
●吸排気系:ソレックス50PHH、φ48mm等長6-1ステンタコ足、メインφ76mmワンオフステンマフラー
●点火系:ダイレクトイグニッション化
●冷却系:アルミ3層ラジエーター、ツイン電動ファン、オイルクーラー
●駆動系:純正5速ミッション換装(クロスレシオ)、クロモリ軽量フライホイール
●操舵系:電動油圧パワステ
■足回り:(F)40段調整式車高調(12kg-mm)、ピロロワアーム、ピロテンションロッド(R)8段調整式車高調(10kg-mm)、前後強化スタビライザー
■ブレーキ:(F)フェラーリ360モデナ用ブレンボ製4ポットキャリパー、φ320mm2ピースドリルドローター(R)ブレンボ製2ポット、φ320mm2ピースドリルドローター
■タイヤ:ダンロップ ディレッツァ(F)205/45R17 (R)235/40R17
■ホイール:BBS RS(リバレル加工)(F)17×8J(R)17×9.5J
■内装:レカロ製Cクラシック(純正色本革張り替え)、ワンオフアナログメーターパネル


初出:ノスタルジックスピード 2016年 7月号 vol.010(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1985年式 ソアラ3.0GTリミテッド(全4記事)

関連記事: 次世代の旧車スタイル

関連記事: ソアラ

text : DAISUKE ISHIKAWA/石川大輔 photo : KAZUHISA MASUDA/益田和久

RECOMMENDED

RELATED

RANKING