「どうせミッションを載せ替えるなら・・・」エンジンOHし本格的にチューニング！｜1985年式 ソアラ3.0GTリミテッド　Vol.3

【1985年式 ソアラ3.0GTリミテッド　Vol.3】

【2】から続く

　オーナーが全幅の信頼を寄せる主治医である「アンリミテッド」西桐直人さんとの付き合いはそれからだ。

「どうせミッションを載せ替えるなら、エンジンもOHして、これまでのアカを落してやろう」といった具合に、ひさびさの「愛車」に気合いが入った。新品がある純正部品はすべて取り寄せ、下まわりは防錆処理&塗装。ネジ1本まで気を使ってレストアをしていったというから恐れ入る。

　しかも、新車顔負けの状態によみがえったこのMZ12ソアラをベースに、さらに本格的なチューニングに踏み切ったこと。イメージしたのは、80年代当時のフルチューンだ。

　排気量を3.2Lとした6M型改ユニット。ブロックにはショートピンハイト仕様の鍛造ピストン、I断面コンロッド、フルカウンタークランクなど、垂涎のパーツを組み込む。

　ヘッドには288度カムや軽量ビックバルブなどをセットしフルチューン。これにソレックス50PHHやφ48mm等長タコ足を装着し、大幅なポテンシャルアップを果たした。

「元々インジェクションだったソアラをソレックス仕様にしたのは、当時のチューニングカーのイメージですね。キャブにしたいなぁと妄想していた時、偶然ネットオークションにM型用のインマニが出てきたので、飛びつきました」とオーナー。キャブならでは吸気音もお気に入りだ。

インジェクションからキャブへコンバートするために用いたM型用のインマニなど【写真38枚】




エンジンルームの助手席前、ABSのユニットを取り外したスペースには、キャブ仕様に燃圧を調整するための燃圧レギュレーターを追加し、安定した燃料供給を実現する。





パワステポンプ&タンクまでトランク内に移動しているのにはビックリ。これも美しいエンジンルームに仕上げるための秘策。配線や配管を引き直す必要があるため、その作業には多大な時間と苦労を要したとか。まさに妥協なしの仕上がり。






バッテリーやヒューズボックスなどをトランク内に移設。



1985年式 ソアラ3.0GTリミテッド (MZ12)
SPECIFICATIONS 諸元
●エンジン:6M型改3.2L仕様、圧縮比12.5、φ85.5mmハイコンプピストン(ショートピンハイト)、クロモリI断面コンロッド、フルカウンタークランクシャフト(軽量ダイナミックバランス加工)、ハイリフトカムシャフト(288度)、軽量バルブ(IN:φ46.5mm、EX:φ38mm)、強化バルブスプリング、チタンバルブリテーナー、強化バルブコッター、ラッシュキラー、強化メタル、メタルヘッドガスケット、ポート研磨、
●吸排気系:ソレックス50PHH、φ48mm等長6-1ステンタコ足、メインφ76mmワンオフステンマフラー
●点火系:ダイレクトイグニッション化
●冷却系:アルミ3層ラジエーター、ツイン電動ファン、オイルクーラー
●駆動系:純正5速ミッション換装(クロスレシオ)、クロモリ軽量フライホイール
●操舵系:電動油圧パワステ
■足回り:(F)40段調整式車高調(12kg-mm)、ピロロワアーム、ピロテンションロッド(R)8段調整式車高調(10kg-mm)、前後強化スタビライザー
■ブレーキ:(F)フェラーリ360モデナ用ブレンボ製4ポットキャリパー、φ320mm2ピースドリルドローター(R)ブレンボ製2ポット、φ320mm2ピースドリルドローター
■タイヤ:ダンロップ ディレッツァ(F)205/45R17 (R)235/40R17
■ホイール:BBS RS(リバレル加工)(F)17×8J(R)17×9.5J
■内装:レカロ製Cクラシック(純正色本革張り替え)、ワンオフアナログメーターパネル

【4】に続く

初出：ノスタルジックスピード 2016年 7月号 vol.010（記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです）

1985年式 ソアラ3.0GTリミテッド（全4記事）

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