ヨコに並んだ黄色のランエボを見て「ひさびさにオモチャとして遊べるクルマを手に入れてみようかな・・・」|1985年式 ソアラ3.0GTリミテッド Vol.2

存在感たっぷりのステンレス製タコ足は、φ48mmの等長タイプ。6-1集合で高回転域でもストレスなく抜ける。熱対策として、マスターシリンダーの周囲にはアルミの遮熱板も追加した。

       
【1985年式 ソアラ3.0GTリミテッド Vol.2】

【1】から続く

 そんな日常に変化が訪れたのは4〜5年前だ。たまたま信号待ちでヨコに並んだ黄色のランエボを見て、ふとクルマ好きの虫が騒いだ。「ひさびさにオモチャとして遊べるクルマを手に入れてみようかな……」と。

 手に入れたあこがれの3.0GTリミテッド。それなりに走行距離は伸びていたが、1オーナー車で状態は抜群。また、このソアラと出合った日が自分の誕生日と同じというのも、運命的なものを感じさせた。

「不思議なもので、シートに座った瞬間に免許を取った当時にタイムスリップした感じでした。やっぱりソアラが好きなんだってね。この愛車に乗っていると気持ちも明るくなるし、理由もなくドライブに行きたくなる。こんなワクワクする気持ちはひさしく味わっていませんでした」。

 それだけ思い入れの強いクルマなだけに、自分好みにしたいと思うまでさほど時間はかからなかった。まず、マフラーやホイールを換えてみたものの、何かもの足りない。そこで、ミッションを元々のATから、5速MTに載せ替えようと決意した。

タコ足と干渉してしまうため他車用を加工流用した、マスターバック&シリンダーなど【写真38枚】





ロングストロークの6M-G型エンジンを、高回転までブン回すための秘策の数々!




点火タイミングは、クランクプーリーからピックアップの信号を取るシステムをワンオフ。オルタネーターをリフレッシュするなど、見えない所まで仕上げている。





コアサポートの前にはオイルクーラーを追加。ノーマルで91mmのストロークとなる6M型ユニットは、ピストンの首振りも大きい。そこでフリクションの抑制が期待できるショートピンサイトの鍛造ピストンを導入するが、それでも油温が高い傾向にあるそうだ。



1985年式 ソアラ3.0GTリミテッド (MZ12)
SPECIFICATIONS 諸元
●エンジン:6M型改3.2L仕様、圧縮比12.5、φ85.5mmハイコンプピストン(ショートピンハイト)、クロモリI断面コンロッド、フルカウンタークランクシャフト(軽量ダイナミックバランス加工)、ハイリフトカムシャフト(288度)、軽量バルブ(IN:φ46.5mm、EX:φ38mm)、強化バルブスプリング、チタンバルブリテーナー、強化バルブコッター、ラッシュキラー、強化メタル、メタルヘッドガスケット、ポート研磨、
●吸排気系:ソレックス50PHH、φ48mm等長6-1ステンタコ足、メインφ76mmワンオフステンマフラー
●点火系:ダイレクトイグニッション化
●冷却系:アルミ3層ラジエーター、ツイン電動ファン、オイルクーラー
●駆動系:純正5速ミッション換装(クロスレシオ)、クロモリ軽量フライホイール
●操舵系:電動油圧パワステ
■足回り:(F)40段調整式車高調(12kg-mm)、ピロロワアーム、ピロテンションロッド(R)8段調整式車高調(10kg-mm)、前後強化スタビライザー
■ブレーキ:(F)フェラーリ360モデナ用ブレンボ製4ポットキャリパー、φ320mm2ピースドリルドローター(R)ブレンボ製2ポット、φ320mm2ピースドリルドローター
■タイヤ:ダンロップ ディレッツァ(F)205/45R17 (R)235/40R17
■ホイール:BBS RS(リバレル加工)(F)17×8J(R)17×9.5J
■内装:レカロ製Cクラシック(純正色本革張り替え)、ワンオフアナログメーターパネル



【3】【4】に続く


初出:ノスタルジックスピード 2016年 7月号 vol.010(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


1985年式 ソアラ3.0GTリミテッド(全4記事)

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text : DAISUKE ISHIKAWA/石川大輔 photo : KAZUHISA MASUDA/益田和久

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