ルームミラーの下に吊り下がる追加メーター! 増大したパワーを生かすためのセッティング|1972年式 スカイライン HT 2000 GT Vol.4

エンジンの慣らしが終わり次第、現車合わせでセッティングを煮詰めていく予定で、パワー的には、360~370psあたりを想定している。その出力に合わせて、足まわりのセッティングも調整を進めていくそうだ。

       
【1972年式 スカイライン HT 2000 GT Vol.4】

 たまたま店頭に展示されていたハコスカに心を奪われたオーナー。愛車と運命的な出会いから、安定感があって乗りやすく、ローリスクで長く付き合えるクルマ作りを進めていく。そのメニューは、ボディのオールペン、エンジンのチューニング、そしてカスタマイズは足回りなどのチューンアップへ。

【3】から続く

 増大したパワーを生かすため、タイヤには高性能ラジアルのアドバンネオバAD08Rを選択。ホイールのリム幅やインセットを含め、サイズは見た目ではなく、あくまでも機能性重視で厳選。過度な引っ張りやキャンバーは避け、安定性重視で選んだ。

 当然ながら、足まわりもビジュアルより安定性を優先してセットアップ。ローダウンすると不足しやすくなるフロントのストロークを稼ぐため、倒立式フロントダンパーを採用。減衰特性は前後とも低速域がややマイルドで、高速域で安定感が増すイメージ。ドライバーへのストレスを減らし、快適に乗りこなせる味付けといえる。

ぶら下がるようにルームミラーと共締めされる、クラシカルなデザインのDefi製水温、油温、油圧の追加メーターなど【写真27枚】

 なお、取材時は、エンジンが組み上がった直後のタイミング。そのため、今回は試乗を遠慮させてもらったが、慣らしを終えてFコンVプロの現車合わせや足まわりのセッティングが煮詰まった頃に、ぜひとも試乗するチャンスが欲しいと思わせる1台だった。

OWNER’S VOICE

取材当日は残念ながら仕事で撮影に立ち会っていただけなかったオーナー。エンジンの慣らしが終わり次第、現車合わせでセッティングを煮詰めていく予定で、パワー的には、360~370psあたりを想定している。その出力に合わせて、足まわりのセッティングも調整を進めていくそうだ。さらに奥様専用となるハカスカも、4ドアベースでもう1台製作中。こちらはATに載せ換えて、買い物などでも負担にならないレディース仕様に仕上げるつもりだ。ハードトップと4ドアセダンを夫婦で乗ると、かなり注目を集めそうだ!  



取材当日は残念ながら仕事で撮影に立ち会っていただけなかったオーナー。エンジンの慣らしが終わり次第、現車合わせでセッティングを煮詰めていく予定で、パワー的には、360~370psあたりを想定している。その出力に合わせて、足まわりのセッティングも調整を進めていくそうだ。




ストリート仕様なので空間が制約されるロールバーは装着せず、シンプルにセンスよく仕上げる。シートはダッツンコンペでヘッドレストナシ。写真はオーナーの代理で撮影に立ち会っていただいた奥様。




センターコンソールにはデフィの排気温度、燃圧、圧力の各メーターをインストール。東名のA/F計も設置されているため、エンジンの燃焼状態が把握できる。

【1】【2】【3】から続く

1972年式 スカイライン HT 2000 GT(KGC10)
SPECIFICATIONS 諸元
●エクステリア:全塗装(ブラック)、マーシャル製ヘッドライト、ローレル用サイドマーカー
●エンジン:L28型改3.1Lスポーツインジェクション仕様、ボアφ89mm×ストローク83mm(3097cc)、圧縮比12、亀有製3.1Lキット/鍛造ピストン/DRAG I断面コンロッド/削り出しフルカウンタークランク/カム(77度/バルブリフト14.7mm、カムリフト10.0mm)/ビッグバルブ(INφ46mm、EXφ38mm)/レース用シートリング/SPLバルブスプリング/クロモリリテーナー/ツインアイドラー/大容量オイルポンプ、オーバーサイズクランクキャップ、メインキャップラインボーリング
●点火系:R34GT-R用スプリットファイア製ダイレクトイグニッション
●吸気系:TMW製φ50mmスロットルボディ、スポーツインジェクション、φ50mmインレットマニホールド
●制御:HKS製F-CON VPro 3.3
●排気系:φ45mmオリジナルステンレスマニホールド&ストレートマフラー
●燃料系:ボッシュ製フューエルポンプ、サード製レギュレレーター、75Lステンレス燃料タンク
●冷却系:亀有製アルミラジエーター、HKS製オイルクーラー
●駆動系:ORC製ツインプレートクラッチ、亀有製強化フライホイールボルト、ニスモ製強化ピポット
●サスペンション:オリジナル車高調(倒立式)
●ブレーキ:(F)エンドレス製キャリパーキット
●インテリア:ダッツンコンペステアリング&シート、デフィタコメーター&追加メーター(水温、油温、油圧、排気温度、燃圧、圧力)、東名製A/Fメーター、
●タイヤ:アドバン ネオバ(F)195/55R15 (R)225/50R16
●ホイール:ボルクレーシングTE37V (F)15×7.5J -6(R)16×9.0J -20
●その他:オリジナルエアタンク&オイルキャッチタンク


初出:ノスタルジックスピード 2016年 7月号 vol.010(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1972年式 スカイライン HT 2000 GT(全4記事)

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text : HIROSHI SHOUMATSUMOTO/正松本 宏 photo : RYOTA-RAW SHIMIZU/清水良太郎

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