トラブルの少ない最新パーツを多用し、普段使いできるハコスカにアップデートしていく|1972年式 スカイライン HT 2000 GT Vol.2

モール類も新品に入れ換えることで、40年を経たヤレ感を払拭している。サイドマーカーはC130ローレル用だ。

       
【1972年式 スカイライン HT 2000 GT Vol.2】

 これまでは旧車と無縁の生活を送っていたが、たまたま店頭に展示されていたハコスカに心を奪われたオーナー。ほどなく、愛車と運命的な出会いを果たしたショップで、レストアとチューニングをスタート。刺激的な旧車ライフがはじまった。

【1】から続く

 それからは、天気のいい休日に軽く流しながら愛車と対話するのがオーナーの楽しみになった。おのずと、チューンナップの方向性は安定感があって乗りやすく、ローリスクで長く付き合えるクルマ作りに定まっていく。

専用ブラケットによりエンドレス4ポットキャリパー、φ270mmローターなどを装着したフロントブレーキなど【写真27枚】

 手に入れた1972年式のハコスカは、車体に目立ったサビや腐食は見当たらず、良好な状態だったが、リフレッシュをかねたオールペイントを決断。

 いつまでも気持ちよく乗り続けるために、塗装前には防錆処理やドア内部の防水処理を徹底。ボディパネルはつやのあるブラックで仕上げ、メカニカルな雰囲気を際立たせたいエンジンルームは、フラットブラックで塗り上げた。




始動性と安定性の高さを評価し、TWNのφ50mmスロットルボディを用いてスポーツインジェクション化を図る。インジェクターは330ccを使う。また、各インテークから負圧を取ることで、ブレーキマスターバックへ安定した圧力を供給している。





インジェクションやイグニッションの制御には、HKSのFコンVプロの最新モデルのVer.3.3を使用。オイルキャッチタンクの下に吸気温センサーを装着。





トラブルの少ない最新パーツを多用し 普段使いできるハコスカにアップデート


1972年式 スカイライン HT 2000 GT(KGC10)
SPECIFICATIONS 諸元
●エクステリア:全塗装(ブラック)、マーシャル製ヘッドライト、ローレル用サイドマーカー
●エンジン:L28型改3.1Lスポーツインジェクション仕様、ボアφ89mm×ストローク83mm(3097cc)、圧縮比12、亀有製3.1Lキット/鍛造ピストン/DRAG I断面コンロッド/削り出しフルカウンタークランク/カム(77度/バルブリフト14.7mm、カムリフト10.0mm)/ビッグバルブ(INφ46mm、EXφ38mm)/レース用シートリング/SPLバルブスプリング/クロモリリテーナー/ツインアイドラー/大容量オイルポンプ、オーバーサイズクランクキャップ、メインキャップラインボーリング
●点火系:R34GT-R用スプリットファイア製ダイレクトイグニッション
●吸気系:TMW製φ50mmスロットルボディ、スポーツインジェクション、φ50mmインレットマニホールド
●制御:HKS製F-CON VPro 3.3
●排気系:φ45mmオリジナルステンレスマニホールド&ストレートマフラー
●燃料系:ボッシュ製フューエルポンプ、サード製レギュレレーター、75Lステンレス燃料タンク
●冷却系:亀有製アルミラジエーター、HKS製オイルクーラー
●駆動系:ORC製ツインプレートクラッチ、亀有製強化フライホイールボルト、ニスモ製強化ピポット
●サスペンション:オリジナル車高調(倒立式)
●ブレーキ:(F)エンドレス製キャリパーキット
●インテリア:ダッツンコンペステアリング&シート、デフィタコメーター&追加メーター(水温、油温、油圧、排気温度、燃圧、圧力)、東名製A/Fメーター、
●タイヤ:アドバン ネオバ(F)195/55R15 (R)225/50R16
●ホイール:ボルクレーシングTE37V (F)15×7.5J -6(R)16×9.0J -20
●その他:オリジナルエアタンク&オイルキャッチタンク

【3】【4】に続く


初出:ノスタルジックスピード 2016年 7月号 vol.010(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


1972年式 スカイライン HT 2000 GT(全4記事)

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text : HIROSHI SHOUMATSUMOTO/正松本 宏 photo : RYOTA-RAW SHIMIZU/清水良太郎

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