彼女たちは一体なぜAE86を選択したのか|2人のAE86乗り女子 Vol.1

2台のハチロクを並べて。それぞれのAE86との出合いと付き合い方。

       
【2人のAE86乗り女子 Vol.1】

 AE86を「ハチロク」と言えなくなり、窮屈な思いをしている今日この頃。しかしAE86発売当時に我々ハチマル世代がこのクルマの良さを本当に分かっていたかというと疑問が残る。読者の皆さんの中には、AE86の発売中止が決定し、世の中からFR車がなくなると、慌てて購入した人もいるだろう。もしくは中古市場にAE86があふれ、「安いし新車時は買えなかったから」程度の気持ちで手に入れた人もいるだろう。当時はそのくらいのクルマだったのだ。

 そんなAE86に再び光が当てられる日が来ようとは誰が想像しただろうか。そう、漫画「頭文字D」である。「バリバリ伝説」でCB750Fや、今号のハチマルMOTOで紹介したNS400Rなどに脚光を浴びさせることに成功した漫画家しげの秀一が、自身で購入したAE86でのエピソードを元に執筆したのが「頭文字D」だった。バリバリ伝説の熱い主人公巨摩郡に対し、頭文字Dの草食系主人公藤原拓海には女性ファンが多く、AE86イベントなどでは頭文字Dのアニメ版で藤原拓海の声を演じた三木眞一郎さんがゲスト出演し、黄色い歓声があがる。



2人のAE86乗り女子。そのうちの1985年式のトレノは、拓海号を忠実に再現し2010年の東京オートサロンに当時コンセプトカーであったFT86とともにトヨタブースに展示された車両【写真14枚】


 今回紹介するAE86の2人のオーナーも、当然のことながら現役時代のAE86を知らず、アニメで存在を知ったという。2人に共通するのはアニメにはまりながらも興味がクルマへと移った点だ。




1985年式スプリンタートレノAPEX。拓海号を忠実に再現し、2010年の東京オートサロンに当時コンセプトカーであったFT86とともにトヨタブースに展示された車両。



1986年式カローラレビンAPEXをもとに、カーランドの高い技術によってスプリンタートレノへとレストアされた車両。しかしながら、レビンであったことの痕跡すら見当たらないほど見事にレストアされている。

【2】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2014年 02月号 vol.24(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

2人のAE86乗り女子(全2記事)

関連記事: スプリンタートレノ

photo : HIROTAKA MINAI/南井浩孝

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