大阪のストリートゼロヨンで、最強を誇った伝説のZが復活!|1978年式 日産 フェアレディ Z-T Vol.1

ボディはホンダ純正のチャンピオンシップホワイトで全塗装。

       
【1978年式 日産 フェアレディ Z-T Vol.1】

プライベートチューンながら連戦連勝だったS31Zが、たどった復活への道

 これまで数多くのS30Zを取材してきたが、そのトップ5に入るほど美しいZに遭遇した。

 ボディがキレイとかサビがないというレベルではない。エンジンルームから室内、さらにボディ下まわりにいたるまで、どこを見てもキズひとつ見当たらないのだ。さらに驚くことに、このクルマを手がけたのは一介のプライベーター。かつてストリートゼロヨンで名を馳せた親父と、その背中をみて育った息子が一緒になってレストア作業を行ったという。受け継がれたDNAが生み出した渾身の1台の表裏から中身まで追跡する。

 時代は約20年前にさかのぼる―。ストリートゼロヨンが全盛期を迎えていた大阪で、とにかく速いといわれる伝説のS31Zがいた。プライベートチューンなのに連戦連勝。ショップの有名デモカーすらぶっちぎった。

 独自の理論で組み上げたL型エンジンはそれほどまでにパワフルで、よく回った。そのウワサを聞きつけた某誌にも「凄腕プライベーター」としてたびたび取り上げられたほどだ。

 何を隠そう、パッと見はどこにでもありそうなこのS31Zこそが、まさにその伝説のマシン。新たな伝説を刻むべく、愛車を不死鳥のごとくよみがえらせた。

夜間もクッキリとした視界を確保できる人気のマーシャル製のヘッドライトなど【写真41枚】



親子で力を合わせてフルレストア! 新車以上に復活したL28型改3L仕様。
 



前後のロワアームは海外から取り寄せたパーツを装着。アジャスト機構が付いており、アライメント調整幅が広がる。タイロッドはワンオフ品で、いずれもピロボール圧入タイプを装着する。
 



リアのフルピロパイプロワアームも磨き上げられている。また、タイヤハウス内もスムージング処理が施され、ツルツルの状態だ。
 


1978年式 日産 フェアレディ Z-T(S31)
●エクステリア:FRPフロントスポイラー/ボンネット、丸源商会製FRPドア/リアゲート/オーバーフェンダー、パーツアシスト製テールランプ、マーシャル製ヘッドライト、サベルト製トーループ
●エンジン:L28型改3.0L仕様、ホンダXL500用鋳造ピストン、L14型用コンロッド、ニスモ製オプションクランクシャフト、バルブ軽量加工(IN:φ44mm、EX:φ35mm)、柿本改製バルブスプリング、純正オイルパン容量アップ加工、アルミ製ワンオフエンジンマウント、ワンオフオイルキャッチタンク
●吸排気系:OERφ47mmキャブレター、ワンオフφ42.7mmステンレスタコ足(6-1集合)、ワンオフφ80mmステンレスマフラー
●点火系:ダイレクトイグニッション化、RB型用純正ECU
●冷却系:トラスト製アルミ3層ラジエーター、電動ファン追加
●燃料系:ステンレス製ワンオフ燃料タンク、S13用燃料ポンプ、燃料ライン引き直し(アルミ)
●駆動系:OS技研製ツインプレートクラッチ、240ZG純正ミッション、R200デフ(ファイナル4.7)、アルミ製ワンオフミッション&デフマウント
●足回り:ブリッツ製改ワンオフ車高調、調整式フロントロワアーム、調整式リアロワアーム、240ZG用リアスタビライザー流用、ワンオフタイロッド
●ブレーキ:(F)DC5用ブレンボ製キャリパー流用、S2000用ローター、(R)PS13用キャリパー流用、ブレーキライン引き直し(スチール)
●タイヤ:(F)ヨコハマ アドバンA050 205/50R16 (R)ブリヂストン ポテンザRE11-S 225/45R16
●ホイール:RSワタナベ 8スポーク (F)16×8.5J (R)16×9.5J
●内装:MOMOバックスキンステアリング、オートメーター製追加メーター(タコ、スピード、油圧、水温、燃料)、ブリッド製ジータⅢスポーツC、オリジナルハーネス、開口部スポット溶接追加

【2】【3】【4】【5】に続く

初出:ノスタルジックスピード 2016年 7月号 vol.010(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


1978年式 日産 フェアレディ Z-T(S31)(全5記事)

関連記事: 次世代の旧車スタイル

関連記事: フェアレディZ-T

text : DAISUKE ISHIKAWA/石川大輔 photo : RYOTA-RAW SHIMIZU/清水良太郎

RECOMMENDED

RELATED

RANKING