2T-GR型ヘッドへ換装し、無鉛レギュラー対応へ! ノーマルで残っているものは少ないTE27|1973年式 トヨタ カローラクーペ レビン1600 Vol.3

ヘッドカバーはワークス仕様にあこがれ、ブルーの結晶塗装に塗り替えている。オイルキャッチにウィンドウオッシャータンクを加工しているのがシブい。ブレーキマスターバックはEP82型スターレット用が移植されていた。

       
【1973年式 トヨタ カローラクーペ レビン1600 Vol.3】

【2】から続く

 TE27はレースやラリーで使われていたクルマやストリートでチューニングベースになったものが多く、ノーマルで残っているものは少ない。そんな中で藤森さんのレビンは、比較的オリジナルの状態を保っている数少ない個体である。特に2T-G型エンジンというと、オリジナルの1.6L(実際にはボア85mm×ストローク70mmの1588cc)からボアアップして1750cc、さらにストロークアップして2L化することが多い。そんな中で、このレビンのようにオリジナルの1.6Lのままというクルマは今となっては数少ない。



 シリンダーヘッドは以前、冷却系のトラブルによるオーバーヒートに悩まされていた時、部品取りとして入手した2T-GR型のヘッドへ換装している。オリジナルの2T-G型はガソリンがハイオク仕様だが、2T-GRはレギュラー仕様。吸、排気バルブ径が1mm拡大されているのと、メカを担当するオーナー兄いわく、若干カムのリフトが高いという。ちなみにバルブシートも2T-G型が有鉛なのに対し、2T-GRは無鉛化対策済みとなる。

 その他排気系が詳細不明のタコ足と藤壷技研工業製のステンレスマフラーを装着。吸気系はオリジナルのソレックス40PHHのエアクリーナーを外し、ファンネル仕様としている。点火系はあえて和光テクニカルGT-600でセミトラとした。取材時に少しだけ運転させてもらったが、エンジンの吹け上がりがよく、軽量なボディと相まって軽やかな走り味に感じられた。

OWNER’S VOICE/浜松のクルマ好き兄弟



オーナー(写真上)のTE27レビンをメンテナンスしている専属メカニックは、2歳上の兄(写真下)。オーナー兄はこのTE27レビンを借り、四国で開催されているミルキーウェイブルーアイランドヒストリックカーラリーに2年連続で参戦している。自走で会場まで往復1000km以上を走破してノントラブルというから素晴らしいコンディションだ。




オーナー兄が現在所有する1971年式ベレットGTRは、以前にフィリピンでレース用として使われ、里帰りしてきたという珍しい経歴を持つ。

シャックルをかませて好みの車高に調整しているトヨシマのレース用リーフスプリングや、トヨタ1600GT用のアルミ製アルフィンドラムなど【写真23枚】




シリンダーヘッドは2T-GR(レギュラー仕様、部品番号11111-88222)に換装されている(2T-Gは11111-88220)。チューニングベースとして人気のあるヘッドだ。後のTE37や47で使われていたものであろう。車台型式はTE27MQと打刻されている。



純正ソレックスキャブ。ファンネル仕様にしている。


1973年式 トヨタ カローラクーペ レビン1600 (TE27)
SPECIFICATIONS 諸元
全長 3955mm
全幅 1595mm
全高 1335mm
ホイールベース 2335mm
トレッド前/後 1270/1295mm
最低地上高 165mm
車両重量 855kg
乗車定員 5名
最高速度 190km/h
登坂能力 tanθ0.71
最小回転半径 4.8m
エンジン型式 2T-G型
エンジン種類 水冷直列4気筒DOHC
ボア×ストローク 85.0×70.0mm
総排気量 1588cc
圧縮比 9.8:1
最高出力 115ps/6400rpm
最大トルク 14.5kg-m/5200rpm
変速機 前進5段オールシンクロメッシュ
変速比 1速 3.587/2速 2.022/3速 1.384/4速 1.000/5速 0.861/後退 3.484
最終減速比 4.300
燃料タンク容量 43L
ステアリング形式 リサーキュレーティング・ボール式
サスペンション前/後 ストラット型独立懸架/半だ円リーフスプリング
ブレーキ前/後 ディスク/リーディングトレーリング
タイヤ前後とも 175/70HR13
発売当時価格 84.1万円


初出:ノスタルジックヒーロー 2015年 08月 Vol.170 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1973年式 トヨタ カローラクーペ レビン1600(全3記事)

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text : RYOICHI IGAWA/井川了一 photo : SATOSHI KAMIMURA/神村 聖

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