海外では1億2000万円の最高値で落札され、ニュースになったトヨタ 2000 GT。半世紀を経ても色あせない魅力|1968年式 トヨタ 2000 GT Vol.1

ローズウッド製のウッドパネルは、ピアノの製造で実績のあるヤマハが担当。ステアリングはマホガニー製で、表面がささくれ立ったことから、修復を施している。

       
【1968年式 トヨタ 2000 GT Vol.1】

 海外のオークションにおいて、日本車としては初となる1億2000万円の最高値で落札され、ニュースになったトヨタ2000 GT。国内においても「幻の名車」と呼ばれるだけあって、当時から出合う機会はまれだった。

 トヨタ2000 GTの開発を担当した往年のトヨタワークスドライバーの細谷四方洋さんによると、基本構想に着手したのが1964年11月のこと。そして、デザインを担当した野崎喩さんが図面を完成させたのが1965年4月で、8月14日にはプロトタイプの1号車が完成したそうだ。わずか9カ月という驚異的な短い開発期間で、名車トヨタ2000 GTは誕生したのだ。


ヘッドレストがないのが特徴的な前期型用シートなど、ほぼオリジナルの状態。その中、手の加えられたボディ同色のフェンダーミラーなど【写真21枚】




テール回りやサイドマーカー、バンパーなどは当時のまま。テールランプ回りはツヤなしで、外枠のみメッキ仕上げとなっている。





マフラーは、キャブトンタイプが2本並ぶ独特なスタイル。当時のイギリス製スポーツカーなどが採用しており、エキゾーストサウンドも独特だ。





これまで、大きな事故にはあっていないという2000 GT。父親が右フロントをブツけて板金したことがあったそうだが、ドアやボンネットの開閉なども違和感なし。



1968年式 トヨタ 2000 GT(MF10)
SPECIFICATIONS 諸元
全長 4175mm
全幅 1600mm
全高 1160mm
ホイールベース 2330mm
トレッド前後とも 1300mm
最低地上高 155mm
室内長 720mm
室内幅 1430mm
室内高 950mm
車両重量 1120kg
乗車定員 2名
最高速度 220km/h
登坂能力 sinθ0.567
最小回転半径 5.0m
エンジン型式 3M型
エンジン種類 水冷直列6気筒DOHC
総排気量 1988cc
ボア×ストローク 75.0×75.0mm
圧縮比 8.4:1
最高出力 150ps/6600rpm
最大トルク 18.0kg-m/5000rpm
燃料供給装置 ソレックス40PHH×3
変速比 1速 3.143/2速 1.636/3速 1.179/4速 1.000/5速 0.844/後退 3.238
最終減速比 4.375
燃料タンク容量 60L
ステアリング形式.ラック&ピニオン
サスペンション前後とも ダブルウイッシュボーン・コイル独立懸架
ブレーキ前後とも ディスク
タイヤ前後とも 165/HR15
発売当時価格 238万円


【2】【3】に続く


初出:ノスタルジックヒーロー 2015年 08月 Vol.170 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1968年式 トヨタ 2000 GT(全3記事)

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photo : RYOTA-RAW SHIMIZU/清水良太郎

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