「頭文字D」の世界を現実にした奇跡のAE86「拓海号」 1

トヨタ スプリンタートレノ 3ドア 1600GTアペックス


いまや、AE86といえば「頭文字D」の拓海号。
藤原とうふ店と書かれたこのクルマは、漫画の中でダウンヒル最強を誇る。
漫画は熱烈な支持を得て、日本中で同じ仕様のクルマが走っている。
その魅惑的な拓海号の世界を見てみよう。

トヨタ スプリンタートレノ
  「頭文字D」の連載が開始されたのが1995年。開始早々からの高い人気を維持したまま2013年に完結。まだまだ高い人気を博していた漫画だっただけに、その突然の連載終了は大きなニュースとなった。

人気を支えた大きな存在としてアニメがある。98年からフジテレビ系列で放映されたシリーズは劇場版を含め8つのシリーズが存在。さらに昨年より新劇場版シリーズ3部作が公開され、その勢いに同調するようにAE86を拓海号仕様にするオーナーが増えることになった。

 最初のうちは白黒のAE86トレノにRSワタナベを履かせて、「藤原とうふ店」のステッカーを貼っただけだった拓海仕様車両。その後「原作では前期型だ」とか「20バルブエンジンでなければ」などオーナーのコダワリが出始め、拓海号作りは白熱。日本中でさまざまな拓海号が出現することになった。



 そんな論争の中、特異なショップが存在。京都にあるAE86専門店「カーランド」である。オーナーの希望で拓海号仕様にすることが多かったカーランドでは、代表の得知雅人さんが原作を読み込み、ビデオを何度も再生しながら仕様を検証。さながら時代劇の時代考証担当のように、頭文字Dの世界を紐解きクルマを製作。リアル拓海号と呼ぶべき高い精度を誇ったショップデモカーは、東京オートサロン、上海モーターショーなどでお披露目。世界中で注目されることとなった。




掲載:ハチマルヒーロー 2015年11月号 Vol.32(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text:Hachimau Hero/編集部 photo:Hirotaka Minai/南井浩孝 Cooperation:カーランド

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