家族みんなでオフロード遊び! FJ40ランクルを駆る、アウトドア派のトヨタファン|1971年式 トヨタ ランドクルーザー  Vol.1

舗装路から離れて公園内に入ると、雨上がりの泥地。そこをまるで水を得た魚のように走り回るジンさんのFJ40。普通ストリート車を運転するときには、路面の凸凹を避けて走りたくなるものだが、ジンさんはわざわざ路面の凸凹を選び、その上を走っていた。

       
【1971年式 トヨタ ランドクルーザー  Vol.1】

 アウトドア系のキーワードといえば「ヨンク」。夏の林道を進み行くにも冬の雪道を走り抜けるにも、悪路走破を可能とする4輪駆動車は、都会に暮らす人には自然を楽しむレジャーの1つであり、地方の自然の中に生きる人にとっては日常の必需品である。

「私は子供のころからトヨタのクルマに親しんできたから、今でもトヨタが好き、というだけなんですけどね」。

 自分のトヨタ好きの理由を短く説明したダン・ジンさんは、サンノゼ市の都会の一角で、2台のトヨタFJ40ランドクルーザーを所有している。
「生まれ育ったのはサリナスという田舎町のはずれです。家の回りには何もなくて他に遊びもなかったから、友達の持っていたジュニア用オフロードバイクを広い空き地で乗り回して遊んだのがオフロード体験の最初でした」。

 物心つくころからオフロードに接していた様子を、ジンさんはそんな風に思い出した。免許を取得し、次第に4輪でも遊ぶようになると、当時のはやりだったストリートカーにも次々と手を染め、なかでもリアエンジンのシボレー・コルベアコンバーチブルなどは「今でもずっと持っています。FJ40のガレージスペースを空けるために、そろそろ手放さなくてはいけないな」といった状態だ。そんな自分の楽しみは小学生のボウ君とも共有している。

「オフロードバイクを息子に教えているのは、単にそれが面白いというだけじゃなくて、こうした経験を積んでいく過程で、物事に自信を持つようになっていくはずなんです」。

 と子供の教育を、自分の経験と重ねて力説した。奥さんは昔からのオフロード仲間だそうだ。ジンさんのオフロード遊びにも寛容で、週末に出かけるのにも文句のひとつも言わないとか。

「今は家族3人で、山奥のキャンプにもっと行きたいんですよ」。

 そんなジンさんの言葉の中に、アウトドアのレジャーが家族みんなの楽しみになっている様子がうかがえた。


豪快かつしなやかに悪路を難なく走り抜けるFJ40の姿など【写真13枚】





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公園内のコースは高中低の難易度で区分されて、地図には色分けしてそれが示されていた。難易度の低いコースは平坦な未舗装の道路で、対向車とすれ違うことだけがやや難しい。道幅の広い場所へ出ると、時々4輪バギーがものすごいスピードで追い越していったりする。





ホリスターヒルズSVRA(カリフォルニア州営オフロード車リクリエーションエリア)はオフロード車専用の公園で、ジンさんの生まれ育ったサリナスの町からは山を1つ越えた山中にある。4輪車用に100km2、オフロードバイク用には200km2もの敷地が用意されているこの公園では、一年を通じて日の出から日没までオフロードランを楽しむことができるうえ、キャンプ場も用意されていて、大型のキャンピングカーで来場している利用者も散見された。





ホリスターヒルズの丘を走るジンさんの1971年式トヨタ・ランドクルーザー。運転席から見る路面は車外から見るよりも、段差はより大きく、斜面もより急にうつる。そんな悪路を難なく走り抜けるFJ40の姿は、「豪快かつしなやか」だ。



初出:ノスタルジックヒーロー 2015年 04月 Vol.168 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1971年式 トヨタ ランドクルーザー (全4記事)

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text & photo : HISASHI MASUI/増井久志

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