右側2本、左側1本の3本チャンバー! NS500のレプリカとしてデビューしたNS400R|1986年式 ホンダ NS400R  Vol.2

右側2本、左側1本の3本チャンバーがNS400Rの特徴。エンジンをかけると、弾けるような2ストトリプルのサウンドが響いた。

       
【1986年式 ホンダ NS400R  Vol.2】

【1】から続く

 NS400Rは、NS500のレプリカとしてデビューしたが、2ストローク90度V型3気筒エンジンのレイアウトは、前2気筒、後ろ1気筒と、NS500とは逆の配置が採用された。

 また、耐焼付性、摩耗性に優れたアルミ一体成形シリンダーに、シリンダー内壁をニッケルとシリコン・カーバイトで特殊コーティング加工処理を施したNSシリンダーを採用したことで、フリションロスの低減や耐久性の向上を実現。

 さらに前側2気筒には、電気的にエンジン回転数を検知し、自動的に排気容積を変化させ、効果的な脈動効果を得られる自動調整トルク増幅排気機構(ATAC)や、コンロッドには高速耐久性に優れたハイスピードステンレス製のニードルベアリングを採用するなど、低中速域で高いトルクを発生しつつ、高回転域までスムーズに回る、扱いやすいエンジンを実現している。

 車体側では、フロントフォークにはブレーキトルク応答型アンチダイブ機構(TRAC)、空気圧でプリロード調整が可能な「エアアシスト・サス」を採用するなど、先進技術を搭載した意欲作となっていた。その結果、総生産台数は1万1742台。日本国内では7361台が販売され人気を博した。


NS500では後ろが2気筒だが、NS400Rは1気筒のレイアウトのエンジン。ブレーキング時の安定性をアップするためTRACを採用したフロントフォークなど【写真10枚】



90度V型3気筒エンジンの前方2気筒には、電子制御ATACを装備し、2ストでは弱いとされる低中速域のトルクをアップ。





NS500では後ろが2気筒だが、NS400Rは1気筒のレイアウト。8000rpmあたりから強烈な加速を味わえる。





リアサスは、多段階の荷重調整が可能なプロリンクサスペンションを装備。プリロードの調整も可能。


1986年式 ホンダ NS400R (NC19)
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 2025×720×1125
ホイールベース(mm) 1385
シート高(mm) 780
エンジン種類 NC19E・水冷2サイクル・ピストンリードバルブ90度V型3気筒
総排気量(cc) 387
ボア×ストローク(mm) 57.0×50.6
圧縮比 6.7
最高出力(ps/rpm) 59/8500
最大トルク(kg-m) 5.1/8000
クラッチ型式 湿式多板コイルスプリング
-ミッション 常時噛合式6速リターン
キャスター(度) 27°05’
トレール(mm) 100
フレーム形式 ダブルクレドール
ブレーキ前 油圧式ダブルディスク
ブレーキ後 油圧式ディスク
タイヤ前/後 100/90-16 54H/
110/90-17 60H
燃料タンク容量(L) 19
潤滑油容量(L) 2
乾燥重量(kg) 163
乗車定員 2名


【1】から続く


初出:ハチマルヒーロー 2014年 02月号 vol.24(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1986年式 ホンダ NS400R (全2記事)

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photo:MOTOSUKE FUJII(SALUTE)

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