「アルファ・ミュージック」を取り戻す! 日本でも人気のツインスパーク|1989年式 アルファロメオ75ツインスパーク  Vol.3

日本でも絶大な人気を誇るアルファ75。その人気の秘密はトランスアクスルをはじめとした 機構とともにユニークだったインテリアの意匠。

       
【1989年式 アルファロメオ75ツインスパーク  Vol.3】

【2】から続く

 発表当初のアルファ75に用意されたエンジンは、1.6〜2Lの直列4気筒DOHCに加えて、主に輸出向けとして2.5L(のちに3Lも)のV型6気筒エンジンユニットが、このクラスとしては初めて搭載された。とはいえ本命というべきは、1987年に追加された2L「ツインスパーク」。

 アルファのアイコン的傑作、ジュリア系GTAの流れを汲むツインプラグヘッドに、70年代から開発していた可変バルブタイミング機構を組み合わせ、当時としては優秀な148psのパワーを獲得するとともに、排ガス対策などで失われた「アルファ・ミュージック」を取り戻すことにも成功していた。

 世界的な人気モデルとなった75ツインスパークは、日本にも数多く正規輸入されたが、今回の取材で登場いただいた1989年式も、大沢商会が輸入総代理店だった時代の1台。年式を感じさせない、素晴らしい個体である。


車体を一周しているモールの延長上についているスポイラーや、ソフトながらホールド性も良好なモケットシートなど【写真16枚】



アルファロメオを復活させた、新世代デザインの大人気モデル。




伝統のアルファ・ツインカムは、気筒あたり2本のプラグを持ち、可変バルブタイミング機構も備えたツインスパークに進化。実質的な性能アップはもちろん、サウンドやレスポンスなど、長らくアルフィスタ(アルファ愛好家)たちを魅了してきた魅力的なフィールも取り戻し、この後のアルファ復活劇に大いなる役割を果たすことになった。


1989年式 アルファロメオ75ツインスパーク
SPECIFICATIONS 諸元
車台番号:ZAR162000 061192##/走行距離:6万9668km
●全長×全幅×全高(mm) 4330×1660×1400
●ホイールベース(mm) 2510
●トレッド前/後(mm) 1390/1380
●車両重量(kg) 1190
●エンジン種類 水冷直列4気筒DOHC
●総排気量(cc) 1961
●ボア×ストローク 84.0×88.5
●圧縮比 10.0:1
●最高出力(ps/rpm) 145ps/5800rpm
●最大トルク(kg-m/rpm) 19.0kg-m/4000rpm
●燃料タンク容量 49L
●ステアリング形式 ラック&ピニオン
●サスペンション前/後 ダブルウィッシュボーン/ド・ディオン(コイルばね)
●ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
●タイヤ前後とも 195/60VR14
●発売当時価格 358万円

初出:ハチマルヒーロー 2014年 02月号 vol.24(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1989年式 アルファロメオ75ツインスパーク (全3記事)

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photo:DAIJIRO KORI/郡 大二郎

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