コの字型のサイドブレーキレバーのデザイン。パワーウインドウスイッチの位置はドコ?|1989年式 アルファロメオ75ツインスパーク  Vol.2

いかにもハチマル的に直線を多用したダッシュパネル。

       
【1989年式 アルファロメオ75ツインスパーク  Vol.2】

外観に負けない特異なインテリア・デザイン

【1】から続く

 そして1977年にはボディを小型化したヌォーヴァ・ジュリエッタも誕生。ともにエンジンの選択肢が増やされるなどのラインナップ充実を図るが、80年代中盤になるとその古さが目立ってくる。ところが当時のアルファロメオ社には完全新型車を開発できるだけの財政的余裕がなかったため、1984年にデビューしたアルフェッタ後継の「90」、および1985年に登場したジュリエッタ後継の「75」とも、それぞれの前任車の内外装をリニューアルした、いわばスキンチェンジに過ぎないものとなってしまったのだ。



日本でも絶大な人気を誇るアルファ75。その人気の秘密はトランスアクスルをはじめとした 機構とともにユニークだったインテリアの意匠。


 しかし、そこは名門中の名門アルファロメオ。苦肉の策である75は、恐るべき個性の持ち主となっていた。通常の自動車美の観念からは大きく逸脱するものの、スピード感溢れる独特の魅力を持つ4ドアボディは、エルマンノ・クレッソーニ率いるフィアット・アウト社内チェントロスティーレが手掛けたもの。一方のインテリアもコの字型のサイドブレーキレバー、ルーフ側に取り付けられたパワーウィンドースイッチなど、外観同様にユニークな意匠とされていたのである。

意外にも使い勝手は悪くない、特異なコの字型サイドブレーキなど【写真16枚】



後席用のパワーウィンドースイッチは、前席用センターアームレストの直後に配置される。




一方、前席のパワーウィンドースイッチは、ヘッドコンソールに配置。事前に知らされていないと、窓さえ開けられない個性的な作りも、当時のマニア心を大いにくすぐった。




手触りの良いモケットシートは、見かけどおりソフトながらホールド性も良好。


【3】に続く

1989年式 アルファロメオ75ツインスパーク
SPECIFICATIONS 諸元
車台番号:ZAR162000 061192##/走行距離:6万9668km
●全長×全幅×全高(mm) 4330×1660×1400
●ホイールベース(mm) 2510
●トレッド前/後(mm) 1390/1380
●車両重量(kg) 1190
●エンジン種類 水冷直列4気筒DOHC
●総排気量(cc) 1961
●ボア×ストローク 84.0×88.5
●圧縮比 10.0:1
●最高出力(ps/rpm) 145ps/5800rpm
●最大トルク(kg-m/rpm) 19.0kg-m/4000rpm
●燃料タンク容量 49L
●ステアリング形式 ラック&ピニオン
●サスペンション前/後 ダブルウィッシュボーン/ド・ディオン(コイルばね)
●ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
●タイヤ前後とも 195/60VR14
●発売当時価格 358万円


初出:ハチマルヒーロー 2014年 02月号 vol.24(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1989年式 アルファロメオ75ツインスパーク (全3記事)

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photo:DAIJIRO KORI/郡 大二郎

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