トランスミッションはデフの前! 久しく復活しなかった後輪駆動のアルファロメオ|1989年式 アルファロメオ75ツインスパーク  Vol.1

アルファロメオを復活させた、新世代デザインの大人気モデル。

       
【1989年式 アルファロメオ75ツインスパーク  Vol.1】

トランスアクスルを装備したスポーティなシャシー

 日本でも絶大な人気を誇るアルファ75。その人気の秘密はトランスアクスルをはじめとした機構とともに、ユニークだったインテリアの意匠。そんなアルファ75の魅力たちをここで紹介しよう。

 量産モデルとしては新型ジュリア登場までの間、最後の後輪駆動アルファロメオとして、日本の愛好家にも絶大な人気を誇っていたアルファ75は、「ハチマル時代」を迎えたアルファロメオの中核モデルとして1985年に登場した。その車名は、アルファロメオ社の創業75周年を記念したもの。また隠れた名作「アルフェッタ」以来のぜいたくなメカニズムを持つ、最後のアルファ・ベルリーナとしても知られている。

 アルファ75を語るには欠かせない開祖であるアルフェッタは、1972年に登場したモデル。エンジンは初代ジュリエッタに端を発する名作「アルファ・ツインカム」だが、本当に凄いのは駆動系とシャシーだった。トランスミッションはクラッチとともにデフ直前に置かれたトランスアクスル。リアサスは30年代以来レーシングカーに採用されてきたド・ディオン式。これらはすべて50年代初頭最強のGPレーサー、159アルフェッタ譲りであり、ペットネームもそれに由来したものである。その仕上がりは、シャープな操縦性と快適な乗り心地を見事に両立し、70年代の技術水準を遥かに超えたものとなっていた。


三角形のグリルに鎮座するアルファロメオのエンブレムや、右リア側面に付いている独特の形状の燃料キャップなど【写真16枚】



タイヤサイズは、前後とも 195/60VR14。





車体を一周しているモールの延長上についているスポイラー。





日本でも絶大な人気を誇るアルファ75。その人気の秘密はトランスアクスルをはじめとした 機構とともにユニークだったインテリアの意匠。


【2】【3】に続く

1989年式 アルファロメオ75ツインスパーク
SPECIFICATIONS 諸元
車台番号:ZAR162000 061192##/走行距離:6万9668km
●全長×全幅×全高(mm) 4330×1660×1400
●ホイールベース(mm) 2510
●トレッド前/後(mm) 1390/1380
●車両重量(kg) 1190
●エンジン種類 水冷直列4気筒DOHC
●総排気量(cc) 1961
●ボア×ストローク 84.0×88.5
●圧縮比 10.0:1
●最高出力(ps/rpm) 145ps/5800rpm
●最大トルク(kg-m/rpm) 19.0kg-m/4000rpm
●燃料タンク容量 49L
●ステアリング形式 ラック&ピニオン
●サスペンション前/後 ダブルウィッシュボーン/ド・ディオン(コイルばね)
●ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
●タイヤ前後とも 195/60VR14
●発売当時価格 358万円


初出:ハチマルヒーロー 2014年 02月号 vol.24(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1989年式 アルファロメオ75ツインスパーク (全3記事)

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photo:DAIJIRO KORI/郡 大二郎

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