こだわったのは「できるだけ高性能なパーツを投入する」こと|1971年式 マツダ カペラロータリクーペ GS  Vol.2

高回転・高負荷時にも反りにくいカーボンセラミック製の1ピースアペックスシールや圧縮9.7のFC輸出用ハイコンプローターを組み込んだ13B型エンジンを搭載。

       
【1971年式 マツダ カペラロータリクーペ GS  Vol.2】

【1】から続く

 ヒストリックカーレースを楽しんでいるオーナーが、「表彰台を狙えるクルマを……」としてベース車探しをした結果、たどり着いたのがカペラロータリークーペだ。

「もともとファミリアロータリーやFC3Sに乗っていたこともあり、このクルマが浮上しました。あまり人が乗っていないという点も魅力でしたね」

 そして約9年前にオーナーの手元にやってきたカペラロータリー。コンディションが上々だったこともあり、2〜3年はノーマルのまま街乗り用として使用していた。転機が訪れたのは12年のこと。マツダがロータリーエンジン搭載車の生産を中止するというニュースが発表された。それを聞いたオーナーは、「純正部品が製廃になる前にクルマを仕上げないと」と、背中を押される格好で、クルマを入手した当初の目的であるレース仕様の製作に着手することに。

 オーナーが一番こだわったのは「できるだけ高性能なパーツを投入する」ことだ。その核となるエンジンには、ペリフェラルポート仕様の13B型ユニットを選び、これにダウンドラフト式のウエーバー48IDA改φ51.5mmを装着。9000rpmオーバーの高回転域を許容し、しかもNAながら240〜250psを発揮する強心臓を手に入れた。

パワーを重視して、ペリフェラルポート仕様を選択した13B型ロータリーエンジン。9000rpmまでストレスのない吹け上がりを見せるダウンドラフト仕様のキャブレターなど【写真34枚】




ダイレクトな制動フィーリングを求めてマスターバックレス仕様とする。マスターシリンダーはブレーキ&クラッチ用ともにap製の大容量タイプに変更した。





フロントブレーキに採用したブレンボ製モノブロックレーシングキャリパーは、チタンピストンの6ポットモデル。トヨタのF1マシンに使用されていた本物で、圧倒的な軽さと高い剛性を両立。


【3】【4】に続く

1971年式 マツダ カペラロータリクーペ GS(S112A)
SPECIFICATIONS 諸元
■ エクステリア:FRP製フロントスポイラー、ボンネット、フロントフェンダー、オーバーフェンダー、トランク、リアスポイラー
■ エンジン:13B型改ペリフェラルポート仕様、カーボンセラミック1ピースアペックスシール、圧縮比9.7、輸出用ローター、ウエーバー48IDA改φ51.5mm、MEXC-Sワンオフエキマニ、ステンレスマフラー、社外インダクションボックス、
■ 冷却系:RX2用アルミ3層ラジエター、セトラブ製大型オイルクーラー、MOCAL製オイルキャッチタンク
■ 点火系:永井電子製機器ウルトラMDI
■ 燃料系:ATL製製安全タンク、燃圧レギュレーター、コレクタータンク、ボッシュ・燃料ポンプ
■ 駆動系:HKS製シングルクラッチ、HKS製シーケンシャル6速ドグミッション(FD3S用)、SA22C用デフキャリア(ファイナル4.44)、ドライブシャフト流用
■ 足回り:ナイトロン製3ウェイ車高調(F)12kg-mm (R)10kg-mm、フルピローボール化、特注フロントロアアーム、リアスタビライザー追加
■ ブレーキ:(F)ブレンボ製モノブロック6ポットレーシングキャリパー(トヨタF1用)、φ280mm軽量ローター (R)AP製2ポットキャリパー、AP製マスターシリンダー&ブレーキバランサー
■ タイヤ:フージャー スポーツカーDOTラジアルA6 (F)235/45ZR13 (R)255/40ZR13
■ ホイール:ワーク特注アルミホイール (F)13×8.5J-9 (R)13×9.5J-22
■ 内装:AIM製フルデジタルメーターMXL、レカロ製フルバケットシート(アウディ用フルカーボン仕様)、シュロス製6点式フルハーネス、モモ製ステアリング


初出:ノスタルジックスピード 2016年 3月号 vol.009(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1971年式 マツダ カペラロータリクーペ GS (全4記事)

関連記事:CIRCUIT SPL

関連記事: カペラ

text : DAISUKE ISHIKAWA/石川大輔 photo : RYOUTA-RAU SHIMIZU/清水良太郎

RECOMMENDED

RELATED

RANKING