「いつかはCR‐Xに乗りたい」オーナーの父親は大のホンダ党|1991年式 ホンダ CR-X SiR  Vol.3

自然吸気でリッター100psを達成、ホンダが出した回答はVTEC。

       
【1991年式 ホンダ CR-X SiR  Vol.3】

【2】から続く

 
 キャッチコピーに由来する「サイバースポーツ」の愛称で多くの人に親しまれた2代目。その2代目に1989年のマイナーチェンジと同時に追加されたのがVTECのB16A型を搭載したSiRだった。

 SiRの特徴はエンジンだけにとどまらず、ハイパワーを生かすために新開発のビスカスカップリング式LSDを設定し、タイヤも195/60R14を装着。ブレーキも容量アップするなど、トータルでのパフォーマンスアップが図られた。そして、そのシャシー性能とハイパワーエンジンによる俊敏な走りは多くの人に認められ、生産終了後も長らくモータースポーツで活躍したのだ。

 若くしてこのCR‐Xのオーナーさんは、じつは父親が大のホンダ党で、その影響もあり「いつかはCR‐Xに乗りたい」と考え、さらにはVTECエンジンへの憧れもあった。そして約1年前、ついに購入。ただ、同年代の友人たちにはCR‐Xの良さを理解してもらえないとか。しかし、「現代のクルマにはないデザインは非常に新鮮。いつまでも乗っていたいですね」とさほど気にしていない様子。最近は若者のクルマ離れが進んでいると言われているが、オーナーのようなクルマ好きがいることは頼もしい限り。今後も末永くCR‐Xを楽しんでいってもらいたい。

OWNER’S VOICE/親子でホンダのハチマル車を満喫!  

 本文で触れたように、オーナーの父親は大のホンダ党。というのも、本誌VOL.21で登場したワンダーシビックは父親の愛車なのだ( 関連記事:1986年式 ホンダ シビック 3ドア SI )。

 こうしてホンダ車好きになるべくしてなったオーナーだが、CR-Xに憧れたきっかけを「子供の頃に近所にあった無限仕様を見て」と話す。しかし父親の存在が大きいのも事実で、板金以外は父親の力を借りながら自ら作業している。今後も共通の趣味を通して、良い親子関係を築いていってほしい。


全機能をドライバー優先でレイアウトしたインパネが収まるコックピット。リアシート両サイドに設置される小物入れなど【写真19枚】



視認性を追求した3眼メーター。タコメーターは8000rpmからレッドゾーンとなっており、高回転型エンジンということがわかる。





シフトノブは操作性を考慮してアルミ製に交換。





ショルダーやサイドサポート部の張り出しの大きさが、いかにもスポーツカーといったデザインの純正シート。ヘッドレストやサイド部は本革張りとなる。なお運転席側には、ゼロファイター製のフルバケットシートを装着する。



1991年式 ホンダ CR-X SiR(EF8)
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 3800×1675×1270
ホイールベース(mm)  2300
トレッド前/後(mm) 1440/1455
車両重量(kg)  970
エンジン型式  B16A型
エンジン種類 直列4気筒DOHC
総排気量(cc) 1595
ボア×ストローク(mm) 81.0×77.4
圧縮比 10.2:1
最高出力(ps/rpm) 160/7600
最大トルク(kg-m/rpm) 15.5/7000
変速比 1速 3.166/2速 2.052/3速 1.416/4速 1.103/5速 0.870/後退 3.000
最終減速比 4.266
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション ダブルウイッシュボーン(前後とも)
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ 195/60R14(前後とも)
発売当時価格 154.7万円

【1】【2】から続く

初出:ハチマルヒーロー 2014年 05月号 vol.25(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1991年式 ホンダ CR-X SiR (全3記事)

関連記事:特別なRの称号

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : RYOTA-RAW SHIMIZU/清水良太郎

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