VTEC=可変バルブタイミング&リフト機構のシステムとは?|1991年式 ホンダ CR-X SiR  Vol.2

空力に優れるコーダトロンカ形状のリアゲートには、後方視界を確保するエクストラウインドーを設置。これは、サイバーCR-Xのアイデンティティとなっている部分だ。

       
【1991年式 ホンダ CR-X SiR  Vol.2】

【1】から続く

 1987年9月には2代目へモデルチェンジ。車名が「ホンダCR‐X」に改められ、キャッチコピーに由来する「サイバースポーツ」の愛称で多くの人に親しまれた。

そして、1989年のマイナーチェンジと同時に追加されたのがSiRだ。それまでの最上級グレードだったSiと大きく異なるのがエンジンで、ホンダ独創のVTEC機構を採用したB16A型が搭載されたのだ。

 VTECとは可変バルブタイミング&リフト機構のことで、通常のDOHCエンジンに対し、吸・排気側にそれぞれ高回転用のカム山とロッカーアームを備え、中央部分を高回転用、両側部分を低回転用のカムシャフトとして使用。回転数やエンジン負荷などをコンピューターで制御し、低回転時と高回転時、それぞれに最適なバルブタイミングとリフト量を切り替えるシステムである。これにより、自然吸気ながらリッターあたり100psというハイパワーを達成。

 また、超精密鏡面仕上げのクランクシャフトや新高強度・細軸バルブ、ピストン冷却ジェットなどの新素材や先進の加工技術など、ホンダのレーシングテクノロジーが随所に取り入れられたユニットと言えよう。なおこのB16A型は、89年4月に登場した2代目インテグラに初めて搭載され、その後CR‐Xおよびシビックに搭載されたことになる。

最高出力160psを発揮するB16A型。新品のような仕上がりを見せるフジツボ製のマフラーなど【写真18枚】




エンジン自体はフルノーマルだが、赤いヘッドカバーはシビックタイプR(EK9)用を流用。ちなみに、純正はブラックのヘッドカバーとなる。





B16A型は最高出力160psを発揮。もちろん、当時の1.6Lクラス最強のエンジンだ。なお、ボディ剛性の向上を狙ってスパッツのタワーバーも装着する。





サスペンションはラルグスのフルタップ式車高調をセット。ロッド上部には、減衰力調整用のダイヤルがある


【3】に続く


1991年式 ホンダ CR-X SiR(EF8)
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 3800×1675×1270
ホイールベース(mm)  2300
トレッド前/後(mm) 1440/1455
車両重量(kg)  970
エンジン型式  B16A型
エンジン種類 直列4気筒DOHC
総排気量(cc) 1595
ボア×ストローク(mm) 81.0×77.4
圧縮比 10.2:1
最高出力(ps/rpm) 160/7600
最大トルク(kg-m/rpm) 15.5/7000
変速比 1速 3.166/2速 2.052/3速 1.416/4速 1.103/5速 0.870/後退 3.000
最終減速比 4.266
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション ダブルウイッシュボーン(前後とも)
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ 195/60R14(前後とも)
発売当時価格 154.7万円



初出:ハチマルヒーロー 2014年 05月号 vol.25(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1991年式 ホンダ CR-X SiR (全3記事)

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : RYOTA-RAW SHIMIZU/清水良太郎

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