「流面形、発見さる」 流面形ってどんなデザイン?|1987年式 トヨタ セリカ 2000GT-R  Vol.2

コークボトルのようなシルエットは、空力を追求した末のカタチ。CD値はトップレベルの0.31(リアスポイラー付き)を実現している。

       
【1987年式 トヨタ セリカ 2000GT-R  Vol.2】

【1】から続く

 このように、FFレイアウトになってもスポーティー性を損なわなかったセリカだが、デビュー翌年の1986年には3S‐GTE型ターボエンジンとトヨタ初のフルタイム4WDを組み合わせたGT‐FOURが登場。2000GT‐Rは、最上級スポーツグレードの座を譲ることになってしまった。しかし、優れたハンドリング性能は国内外で高い評価を受け、FFスポーツクーペとしての地位を築くことに成功したのである。

 また、T160系のもうひとつの見どころが、斬新なエクステリアデザイン。「流面形、発見さる」というキャッチコピーを使ったCMを覚えている人も多いと思うが、そのインパクトは絶大だった。“流面形”とは、なめらかな岩の周囲を流れる水流のように、外板面をスムーズでダイナミックな面で構成したスタイルのことで、空力特性の追求から生まれたまったく新しいデザインコンセプトだという。

 加えてAピラー以外を内側に覆い隠したウインドーや、質感の高いガーニッシュを組み合わせたリトラクタブルヘッドライトなどにより、スポーティー感だけでなくラグジュアリーな要素を取り入れていることも特徴的。これまで、トヨタのトレンドセッター役として活躍してきたセリカならではの、未来的なデザインである。


F3レース用エンジンのベースとしても長らく使われた、最高出力160psを発揮する3S型エンジンなど【写真17枚】




2S型をベースに、DOHC&4バルブ化やボア×ストロークの見直しなど全面的な変更を実施。その結果、最高出力160psを発揮するスポーツユニットとして生まれ変わった。





ボディカラーは取材車両のスーパーホワイトⅡのほか、スーパーレッドⅡやブルーメタリックなど、計7色をラインナップしていた。





FFスペシャリティーに生まれ変わった新世代セリカのスポーツグレード

【3】に続く


1987年式 トヨタ セリカ 2000GT-R(ST162)
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4365×1690×1295
ホイールベース(mm)  2525
トレッド前/後(mm) 1465/1430
車両重量(kg)  1160
エンジン型式  3S-GELU型
エンジン種類 直列4気筒DOHC
総排気量(cc) 1998
ボア×ストローク(mm) 86.0×86.0
圧縮比 9.2:1
最高出力(ps/rpm) 160/6400
最大トルク(kg-m/rpm) 19.0/4800
変速比 1速 2.810/2速 1.549/3速 1.000/4速 0.706/後退 2.296
最終減速比 3.729
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション ストラット(前後とも)
ブレーキ(前/後) ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ 195/60R14(前後とも)
発売当時価格 217.8万円


初出:ハチマルヒーロー 2014年 05月号 vol.25(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1987年式 トヨタ セリカ 2000GT-R (全3記事)

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : KAZUHISA MASUDA/益田和久

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