受け継いだのはブラックマスクのみ!? FFスペシャリティーに生まれ変わった新世代セリカ|1987年式 トヨタ セリカ 2000GT-R  Vol.1

先代にあたる「ブラックマスク」の雰囲気が受け継がれたフロントマスク。後期ではグリルのフィンがより細かくなり、なおかつ左右いっぱいまで広がったことでイメージも一新された。

       
【1987年式 トヨタ セリカ 2000GT-R  Vol.1】

 古くからモータースポーツに参戦してラリーシーンで輝かしい実績を残すなど、スポーツモデルのイメージが定着しているセリカ。手ごろなサイズのボディとFRレイアウト、そして高性能なエンジンがそれらの要となっていたわけだが、1985年8月にリリースされたT160系で最大の転換を迎えた。

 もっともセンセーショナルだったのは、それまでのFRレイアウトを捨て、横置きエンジンのFFレイアウトとなったこと。これには多くのセリカファンが悲観したが、根底にあるスポーツ性は脈々と受け継がれていたのだ。最上級グレードの2000GT‐Rと、その廉価版にあたる2000GTに搭載されるエンジンは、2L直列4気筒DOHCの3S‐GE型。最高出力160ps、最大トルク19.0kg‐mを発生させ、優れたレスポンスとパワーを実現。サスペンションは4輪ストラットをベースとし、低圧ガス封入式のショックアブソーバーやフロントの左右の取り付け部を結ぶロワブレースのほか、ストラット上部にパフォーマンスロッドを採用することで、シャシー性能も十分に高められた。


「ブラックマスク」の雰囲気が受け継がれたフロントマスクと、オープンされたリトラクタブルライトなど【写真17枚】



GT-Rの場合、個性的なデザインの14インチアルミホイールが標準装備。GT-FOURも同デザインだが、タイヤの銘柄が異なる。ちなみにホイールサイズは6J×14。





チルトおよびスライドが可能な電動サンルーフはオプション設定品。





ボディサイドまで回り込んだ3分割式の大型カラードリアスポイラー。GT系に標準装備されるアイテムだ。


【2】【3】に続く

1987年式 トヨタ セリカ 2000GT-R(ST162)
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4365×1690×1295
ホイールベース(mm)  2525
トレッド前/後(mm) 1465/1430
車両重量(kg)  1160
エンジン型式  3S-GELU型
エンジン種類 直列4気筒DOHC
総排気量(cc) 1998
ボア×ストローク(mm) 86.0×86.0
圧縮比 9.2:1
最高出力(ps/rpm) 160/6400
最大トルク(kg-m/rpm) 19.0/4800
変速比 1速 2.810/2速 1.549/3速 1.000/4速 0.706/後退 2.296
最終減速比 3.729
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション ストラット(前後とも)
ブレーキ(前/後) ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ 195/60R14(前後とも)
発売当時価格 217.8万円


初出:ハチマルヒーロー 2014年 05月号 vol.25(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1987年式 トヨタ セリカ 2000GT-R (全3記事)

関連記事:特別なRの称号

関連記事:セリカ

text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : KAZUHISA MASUDA/益田和久

RECOMMENDED

RELATED

RANKING