「タイプRは本当に楽しくて気持ちのいいクルマです」|2000年式 ホンダ インテグラ タイプR・X  Vol.3

レーシングテクノロジーを身近に、ホンダの夢と技術が詰まったタイプR。

       
【2000年式 ホンダ インテグラ タイプR・X  Vol.3】

【2】から続く

 このほかにもインテグラ・タイプRには、ここでは紹介しきれないほどの技術が惜しげもなく注ぎ込まれた。そこには技術と同時に、ホンダの「乗る人をどこまでも高揚させる、鋭い運動性能を持つクルマを作りたい」という情熱と夢も詰まっている。

 かくして生まれたインテグラ・タイプRは、本物のスポーツカーを体感できる身近な存在として、ファンの心をつかんだ。オーナーもその一人だ。「タイプRは本当に楽しくて気持ちのいいクルマです。数カ月に一度のペースでサーキットも走っていますが、エンジンの音も走行性能も、すべてたまりません!」と語る。

 国内では残念ながらタイプRの名は消滅してしまった。さらに言えば、NSX、インテグラ、シビックの名も……。しかし、海外ではタイプRは脈々と受け継がれていた。国内でもタイプRがいつの日か復活するかもしれない。こんな作り手の夢と情熱がこもったクルマの登場を、ファンは待ち望んでいるのだ。

OWNER’S VOICE/黄色のインテグラが欲しかったんです!  

 オーナーに取ってはこれが2台目のタイプR。「1台目は父が乗っていた白を譲り受けましたが、調子が悪くなって乗り換えを考えました」と語る。「子どもの頃に見た“黄色いインテ”がカッコ良くて憧れたんです」というこだわりの組み合わせは、約半年かけて見つかった。「1台目でタイプRの楽しさにハマって、2台目で念願の黄色に乗ることができて幸せです」とのこと。小さな男の子に「あのクルマカッコいい!」と言われた時は、うれしかったそうだ。




サンライトイエローのみに設定されたイエローのレカロシート。8400rpmからレッドゾーンとなるイエロー指針のメーターなど【写真19枚】




MOMO製の小径ステアリングを装備。ステアリングギアレシオはタイプR専用に変更されている。また、タイプR・Xはブルーのカーボン調パネルを採用。





チタン削り出しのシフトノブは、重心をドライバー側に7mm、下に4.5mm移動し、操作性を向上。また、高回転特性を活かすために2〜5速までを低く設定してクロスレシオ化している。





イエローレカロはサンライトイエローのみに設定された。現存するこの組み合わせは非常にレアで、オーナー最大のこだわりだった。



2000年式 ホンダ インテグラ タイプR・X(DC2)
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4380×1695×1330
ホイールベース(mm)  2570
トレッド前/後(mm) 1480/1485
車両重量(kg)  1120
エンジン型式  B18C型
エンジン種類 直列4気筒DOHC
総排気量(cc) 1797
ボア×ストローク(mm) 81.0×87.2
圧縮比 11.1:1
最高出力(ps/rpm) 200/8000
最大トルク(kg-m/rpm) 19.0/6200
変速比 1速 3.230/2速 2.105/3速 1.458/4速 1.034/5速 0.787/後退 3.000
最終減速比 4.785
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション ダブルウイッシュボーン(前後とも)
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ 215/45R16(前後とも)
発売当時価格 257.6万円

【1】【2】から続く


初出:ハチマルヒーロー 2014年 05月号 vol.25(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1982年式 日産インテグラ タイプR (全3記事)

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : AKIO HIRANO/平野 陽

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