レーシングテクノロジーを257.6万円で! ホンダの夢と技術が詰まったタイプR|2000年式 ホンダ インテグラ タイプR・X  Vol.1

社外のカーボンボンネットに装着された赤のHマーク。

       
【2000年式 ホンダ インテグラ タイプR・X  Vol.1】

 日産スカイラインGT‐Rと並んで、「R」の象徴とも言うべき存在がホンダのタイプRだ。この「R」もレーシングを意味する。だが、レースに勝つために生まれたGT‐Rに対して、タイプRはレースで培った技術を市販車にフィードバックして生まれる。その点が同じレーシングでも大きく異なり、タイプRはレーシングであると同時に、本物のスポーツカーを造り上げるリアルスポーツの「R」でもあるのだ。

 ホンダが初めてタイプRを造り上げたのは1992年。軽量化やエンジンおよびトランスミッション、足回りのセッティングに、レーシングカーのチューニング理論を随所に応用。モータースポーツの最高峰F1をはじめとする、数々のレースで培ってきた技術を活かして生まれたのが、NSXのタイプRだ。その運動性能は市販車の域を超え、究極のスポーツカーとして名を馳せた。しかし、限りなく1000万円に近いプライスは、一部のユーザーにしか手の届かない存在だったのだ。

 そんな声に応えるため、タイプR第2弾として1995年に誕生したのがインテグラ・タイプRだ。コンパクトで軽量な3代目インテグラは1.8L VTECエンジンを搭載するなど、スポーティーな運動性能が定評を得ていた。ホンダはそこに着目し、インテグラにレーシングDNAを注入したのだ。


ベースモデルよりも15mmローダウンされたタイプR。専用開発となるフロント&サイドのアンダースポイラーとリアの大型スポイラーなど【写真19枚】



大きなエアダクトが2カ所開いた社外のカーボンボンネット。レーシーな雰囲気を演出するとともに軽量化にも効果的。





ホイールはインチアップするために、EP3シビック・タイプR用をブラック塗装して装着する。





オリジナルのタイプRは、テールパイプ径がベース車のφ50.8mmからφ76mmに拡大。この個体はマフラーをスプーン製に交換している。



【2】【3】に続く

2000年式 ホンダ インテグラ タイプR・X(DC2)
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4380×1695×1330
ホイールベース(mm)  2570
トレッド前/後(mm) 1480/1485
車両重量(kg)  1120
エンジン型式  B18C型
エンジン種類 直列4気筒DOHC
総排気量(cc) 1797
ボア×ストローク(mm) 81.0×87.2
圧縮比 11.1:1
最高出力(ps/rpm) 200/8000
最大トルク(kg-m/rpm) 19.0/6200
変速比 1速 3.230/2速 2.105/3速 1.458/4速 1.034/5速 0.787/後退 3.000
最終減速比 4.785
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション ダブルウイッシュボーン(前後とも)
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ 215/45R16(前後とも)
発売当時価格 257.6万円


初出:ハチマルヒーロー 2014年 05月号 vol.25(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

2000年式 ホンダ インテグラ タイプR・X (全3記事)

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : AKIO HIRANO/平野 陽

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