GT‐Rとカリスマ的チューナーのマリアージュ、トミーカイラ「R」|1993年式 日産 スカイライン GT-R トミーカイラR  Vol.2

ナンバープレート左右に大きなエアインテークが開けられた専用フロントバンパー。グリルはメッシュとなり、「Tommykaira」のエンブレムが付く。

       
【1993年式 日産 スカイライン GT-R トミーカイラR  Vol.2】

【1】から続く

 R32GT‐Rは、280psを発生するRB26DETT型2.6L直列6気筒ツインターボをパワープラントとして、電子制御トルクスプリット式4WDのアテーサE‐TS、スーパーHICASというハイテクメカを搭載。これらはすべてレースのためのものであり、排気量もレギュレーションに合わせて設定された。そのポテンシャルは圧倒的で、グループAで29連勝という前人未到の偉業を達成した。

 ベースモデルでも相当な性能を持つR32GT‐Rだが、スペシャルチューンモデルが存在した。それがコンプリートカー「トミーカイラR」だ。このマシンは、スペシャルチューニングされたコンピューターや高出力を絞り出す大流量メタルタービン、冷却効率の高い大型インタークーラーなどにより、排気量はベースのGT‐Rと同じものの、最高出力はなんと350psにまで高められている。このハイパワーに合わせて足回りも強化され、サスペンションはオリジナルセッティングのビルシュタイン製ダンパーにハードなバネレートのスプリングを組み合わせ、ボディ強化とともにサスペンションの性能を引き出すアルミ製のストラットタワーバーも装備。まさに、トータルチューンされたモンスターだ。


ニスモのメタルタービンやトラストのアルミラジエーター、HKSのレーシングサクションリローテッドのモディファイがされたエンジンルームなど【写真20枚】



ヘッドカバーとオイルフィラーキャップにもロゴが入る。





コーションプレート横にはトミーカイラRであることを証明するプレートが設置される。ここには車台番号とシリアルナンバーが刻印され、「本物」であることを表す。





ニスモのメタルタービンやトラストのアルミラジエーター、HKSのレーシングサクションリローテッドに変更するなど、さらなるチューニングを施す。


【3】に続く


1993年式 日産 スカイライン GT-R トミーカイラR(BNR32)
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4545×1755×1340
ホイールベース(mm)  2615
トレッド(mm) 1510(前後とも)
車両重量(kg)  1480
エンジン型式  RB26DETT型
エンジン種類 直列6気筒DOHCツインターボ
総排気量(cc) 2568
ボア×ストローク(mm) 86.0×73.7
圧縮比 8.5:1
最高出力(ps/rpm) 350/7600
最大トルク(kg-m/rpm) 36.0/6000
変速比 1速 3.214/2速 1.925/3速 1.302/4速 1.000/5速 0.752/後退3.369
最終減速比 4.111
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 マルチリンク(前後とも)
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 245/40ZR17(前後とも)
発売当時価格 698.0万円


初出:ハチマルヒーロー 2014年 05月号 vol.25(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1993年式 日産 スカイライン GT-R トミーカイラR (全3記事)

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : RYOTA-RAW SHIMIZU/清水良太郎

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