市販時点で、パワーウエイトレシオは4.04kg/psを実現。ワークスカーは?|1982年式 日産 240RS  Vol.2

キャブサウンドを響かせながら走る姿は、まさにラリー車。丸形フォグ「シビエ・オスカー」が、雰囲気をいっそう高めている。

       
【1982年式 日産 240RS  Vol.2】

【1】から続く

 1979年にデビューしたS110シルビアをベースとして、WRC参戦車両として開発された240RS。

 その軽量なボディに搭載されるエンジンは、先にR30スカイラインに搭載され、後にS110にも搭載されたFJ20型をベースにしたFJ24型。しかし、エンジン型式こそFJを名乗るものの、実際にはすべて見直しが図られた新規設計のエンジン。FJ20型と比較してボアを3mm、ストロークを8mm延ばしたことで、排気量を2340ccにスープアップ。

 ピストンやクランクシャフトに鍛造品がおごられ、キャブレターはソレックス50PHHをドッキング。その結果、最高出力は240psをマーク。1tを切る重量にハイパワーエンジンを搭載することで、パワーウエイトレシオは4.04kg/psを実現した。ちなみにワークスカーでは、275psまで高められていたというから、そのパフォーマンスの高さはハンパではなかっただろう。

総排気量2340cc、240psを絞り出すFJ24型など【写真19枚】




純正のエキマニは4-2-1のステンレス製。本来はフランジの上下に補強が入っているようだが、この個体は左右に付いている。購入時から未交換ということなので、真相は不明だ。





キャブはソレックス50PHH。グラベルを走るラリーだけに、長方形のワークスタイプのエアクリーナーも装着される。





かなり見づらいが、エンジンブロックのエキマニ下側に「FJ24」と打刻されている。



【3】に続く


1982年式 日産 240RS(BS110)
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4330×1800×1310
ホイールベース(mm)  2400
トレッド前/後(mm) 1410/1395
車両重量(kg)  970
エンジン型式  FJ24型
エンジン種類 直列4気筒DOHC
総排気量(cc) 2340
ボア×ストローク(mm) 92.0×88.0
圧縮比 11.0:1
最高出力(ps/rpm) 240/7200
最大トルク(kg-m/rpm) 24.0/6000
変速比 1速 2.818/2速 1.973/3速 1.470/4速 1.192/5速 1.000/後退3.382
最終減速比 4.625
ステアリング リサーキュレーティングボール式
サスペンション前/後 ストラット/4リンク
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ 215/60R14(前後とも)
発売当時価格 550万円


初出:ハチマルヒーロー 2014年 05月号 vol.25(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1982年式 日産 240RS (全3記事)

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : AKIO HIRANO/平野 陽

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