ニスモ開発、オーテックジャパン製造のラリースペシャル|1990年式 日産 ブルーバード 2000 SSS-R  Vol.1

インタークーラーはエンジン上に設置されるため、SSS-Rは走行風を取り込むためのエアインレットがボンネット上に装着される。

       
【1990年式 日産 ブルーバード 2000 SSS-R  Vol.1】

 長きに渡ってラリーに参戦してきたブルーバード。古くは初代の312から始まり、1970年のサファリラリーでは3代目510が総合/クラス/チームの3部門を制する完全優勝を達成するなど、海外のラリー活動において数々の偉業を成し遂げてきた。そして1987年に登場したSSS‐Rは、そんな輝かしい実績を再び手に入れるために開発された「ラリースペシャル」と呼べるコンペティションモデルである。

 ベースとなったのは、8代目ブルーバードのU12。そのトップグレードであるSSSアテーサリミテッドは、前後輪に必要なトルクをバランスよく配分させるビスカスカップリング付きセンターデフ採用のフルタイム4WDシステム「アテーサ」と、後輪舵角制御のSTC‐Sus(スーパートーコントロールリアサスペンション)を組み合わせ、スムーズかつリニアなハンドリングと圧倒的なトラクション性能を実現。一方エンジンは、175psを発揮する1.8L4気筒DOHCターボのCA18DET型を搭載。ブルーバード初のフルタイム4WD+DOHCターボのパッケージングとすることで「スーパー・スポーツ・セダン」の名に恥じない高い運動性能を手に入れた。

 そしてSSS‐Rでは、エンジンやシャシーをさらにチューニング。CA18DET型にはコスワース製鍛造ピストンやステンレスエキゾーストマニホールドがおごられ、タービンの容量アップやカムのプロフィール変更、ブーストアップなども実施。その結果、ベースエンジンから10 ps/1.5kg‐m増の185ps/24.5kg‐mを発揮し、エンジン型式もCA18DET‐R型となった。また、ミッションは国内ラリースレージでの走行を想定したクロスレシオで、エアコンやパワーウインドー、オーディオなどを廃止して軽量化。さらに、ボディ剛性の高い4ドアセダンのみのラインナップとするなど、日産の本気度が伝わってくる内容となっている。ちなみにこのSSS‐Rは、開発をニスモが担当してオーテックジャパンが製造しており、日産を取り巻くスペシャリストたちのノウハウが集結された一台とも言えるのだ。

左右のスポーク裏側にもホーンボタンが設置されているのが特徴のニスモ製ステアリング。センターコンソールのサイドブレーキ脇に設置されるフォグランプのスイッチなど【写真22枚】



ラリーでの活躍が最大の使命、日産純正のスペシャルバージョン。




オプションで用意されていたPIAA製の大型フォグランプ。ラリー車には欠かせないアイテムのひとつだ。ちなみに前期と後期ではグリルのデザインが若干異なる。






「ラリースペシャル」と呼べるコンペティションモデル


【2】【3】に続く

1990年式 日産 ブルーバード 2000 SSS-R(HNU12)
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4520×1690×1395
ホイールベース(mm)  2550
トレッド前/後(mm) 1460/1440
車両重量(kg)  1210
エンジン型式  SR20DET型
エンジン種類 直列4気筒DOHCターボ
総排気量(cc) 1998
ボア×ストローク(mm) 86.0×86.0
圧縮比 8.5:1
最高出力(ps/rpm) 205/6000
最大トルク(kg-m/rpm) 28.0/4000
変速比 1速 3.066/2速 2.095/3速 1.653/4速 1.272/5速 0.795/後退 2.944
最終減速比 4.333
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション ストラット(前後とも)
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ 185/70R14(前後とも)
発売当時価格 235.1万円(4名乗車仕様)


初出:ハチマルヒーロー 2014年 05月号 vol.25(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1990年式 日産 ブルーバード 2000 SSS-R (全3記事)

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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