ボルトオンオプションのDOHCヘッド! ほぼノーマルの外観にレース用LZ14型改を搭載|1967年式 ブルーバード 1300 4ドアセダン デラックス  Vol.1

フロントグリルのダットサンのエンブレム。

       
【1967年式 ブルーバード 1300 4ドアセダン デラックス  Vol.1】

 外観はいたってノーマルな初期型510ブルーバード。ハヤシレーシングのホイールが装着されているくらいで、ほぼノーマルの状態だ。実際、レストアも行われておらず、塗装面は当時のままを維持している。

 ところが、ボンネットを開くとそのイメージは一変する。エンジンルームに鎮座しているのは、日産のレース用ユニットLZ14型エンジンなのだ。

 このLZ14型エンジンのデビューは、「73年日本GP」で、華々しくデビューウインを飾った。ただし、前年の1972年は、スカイラインGT‐RがサバンナRX‐3に破れ、エクセレントもセリカ&レビン連合に敗れるという惨めな結果だった。その雪辱を晴らすために、エクセレントはどうしても勝たなければいけない立場となった。

 当初は、L14型(1.6L)のEGI仕様のシングルカムが準備されていたが、パワー的には180psあたりが限界だった。そこにレギュレーション変更の一報が届き、1973年からボルトオンオプションのDOHCヘッドが認められることになった。直ちにプロジェクトチームが組まれ、1973年1月には1号機がテスト開始。2月には走行テストを行い、5月3日の「73年日本GP」を迎え、9台のエクセレントを送り出し、見事1位〜3位を独占。圧倒的な速さで勝利を飾ることができたのだ。


刃のようなデザインで左右非対称のため専用部品。1967年式の特徴である非対称サイドマーカーレンズなど【写真25枚】




フロントフェンダーには、グレードを表す「DELUXE」の文字が入るエンブレムを装着。






ホイールは新品のハヤシレーシングを装着。14x7Jで、タイヤは前後ともアドバンネオバの175/60R14を履く。


【2】【3】に続く

1967年式 ブルーバード 1300 4ドアセダン デラックス(510)
SPECIFICATIONS 諸元
■エクステリア:未レストアボディ(フルノーマル)
■エンジン:LZ14型改、ドライサンプ仕様、特注アルミオイルパン、ワンオフアルミ製オイルタンク(7L)、オイルキャッチタンク、特注ステンレスタコ足、φ50mmマフラー、ウエーバー48DCOES/P(φ50mm加工)
■点火系:デスビレス同時点火&MSDx2、レーシングプラグ(9番)
■燃料系:ミツバ製燃料ポンプ
■冷却系:ワンオフサイドタンク式アルミラジエーター、電動ファン、オイルクーラー
■駆動系:DR30用ツインプレートクラッチ、L型用ローバック5速ミッション、R180デフ+4ピニLSD
■サスペンション:(F)車高調+ピローアッパーマウント (R)レース用強化サス
■ブレーキ:(F)MK63キャリパー (R)アルフィンドラム
■インテリア:特注オートルックローバックバケットシート、RSC製機械式タコメーター、アモン旧車倶楽部オリジナルステアリング
■タイヤ:ヨコハマ アドバンネオバ 175/60R14
■ホイール:ハヤシレーシング14x7J


初出:ノスタルジックスピード 2016年 3月号 vol.009 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1967年式 ブルーバード 1300 4ドアセダン デラックス (全3記事)

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photo:RYOTA-RAW SHIMIZU/清水良太郎

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