タイヤ外径ほぼ1m! 全幅2.05m、全高2.5mの2シーター「オールラウンドプレイヤー」!|1971年式 ダイムラー メルセデス・ベンツ ウニモグ  Vol.2

ボディカラーは純正オリジナルのオリーブドラブ。もともとこの色だが、3年前のレストア時にオールペイントし、キレイなボディを取り戻している。

       
【1971年式 ダイムラー メルセデス・ベンツ ウニモグ  Vol.2】

【1】から続く

 エンジンから走行用以外にもう1つの動力軸が出て機械を作動できるという特徴から、農業だけでなく土木や鉄道などの公共事業での需要も大きく、生産が追いつかなくなったウニモグは、1950年秋にダイムラー・ベンツ社に移管。

 1953年からは「スリーポインテッド・スター」エンブレムが付いたダイムラー・ベンツ ウニモグとして市場に供給されるようになった。55年からはドイツ軍がウニモグS型(404シリーズ)を採用。市場のニーズが多様化してきたことから61年に大型の406シリーズが登場。さらにさまざまな作業が可能となったウニモグは新たに「オールラウンドプレイヤー」と呼ばれるようになった。その後も多様化は継続、現在も唯一無二の多目的動力装置として販売されている。

 また、最初の生産拠点のガゲナウで、2011年6月にウニモグ生誕60周年記念イベントが開催されるほど、世界中で愛されているのだ。

 日本でも当初は農業用として輸入されたが、大規模農場が少なく活躍の場は限られていた。現在では競馬場のダートコース整備車両や道路と軌道両方を走行できる軌陸車として京王電鉄などに配備。また、NEXCO東日本、中日本、西日本では巨大回転モップを取り付けたトンネル壁面清掃車両として採用されている。巨大モップを回転させながら超低速走行を数十kmに渡り続けられる車両はウニモグだけだ。

X型の構造フレームや、リアに取り付けられた20t用のウインチなど【写真23枚】





サスペンションのコイルスプリングは内側にひとまわり小さいスプリングが内包され二重構造になっている。





ボンネットは専用工具でしか開けることができない。比較的大きめのラジエーターが採用されているが、車体が大きくその存在感が薄い。エンジンルームで大きく目立つのはエアインテークにつながる吸気機構。





リアに取り付けられた20t用のウインチ。ウインチの右側に見える板状のパーツを地面に差し、これを支えにしてウインチで対象物を引き上げる。1つ1つが非常に豪快ではあるが、理にかなったシンプルな機構となっている。


【3】に続く


1971年式 ダイムラー メルセデス・ベンツ ウニモグ
SPECIFICATIONS 諸元
全長4070mm
全幅2050mm
全高2500mm
ホイールベース2380mm
車両重量3850kg
乗車定員2名
最大積載量2000kg
最高速度90km/h
登坂能力70%
エンジン型式OM352/3型
エンジン種類水冷直列6気筒SOHCディーゼル
総排気量5675cc
最高出力82.8ps/2550 rpm
最大トルク26.4kg-m/1600rpm
燃料タンク容量80L
変速機前/後18速(3×6)/6速(2×3)
可変排気ブレーキ
タイヤ前/後365/60R20
発売当時価格約800〜1500万円程度
(フルオーダーに近い車両のため定まった価格は存在しない)


初出:ノスタルジックヒーロー 2015年 04月 Vol.168 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1971年式 ダイムラー メルセデス・ベンツ ウニモグ (全3記事)

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photo : NOBUTAKA KOREMOTO/是本信高

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