世界中でこのクルマが通れない道はない!? 原動機付き多目的動力装置!|1971年式 ダイムラー メルセデス・ベンツ ウニモグ  Vol.1

1971年式 ダイムラー メルセデス・ベンツ ウニモグ 2t積み標準型(J-141)。

       
【1971年式 ダイムラー メルセデス・ベンツ ウニモグ  Vol.1】

 皆さんもご承知のとおり、ウニモグを商用車という枠でくくることは難しい。もともとは農業用原動機付き多目的作業機械として開発が始まったウニモグ。第二次世界大戦で日本より約4カ月早く降伏したドイツでは戦後復興の施策が練られ、荒廃した農地再生に利用可能な作業車両の開発が始められた。1945年秋頃には早くもダイムラー・ベンツ社内航空エンジンの開発責任者であったアルベルト・フリードリッヒによって最初の図面がおこされた。

 あらゆる車両を凌駕する頑丈なシャシーやフレーム、コイルスプリング式の柔軟なサスペンション、前と後、中央部に備えられた機械式PTO(パワー・テイク・オフ)の装備など、当初からあった開発コンセプトはその後も引き継がれ、1946年に「Universal Motor Gerät」の頭文字をとったUNIMOGという名前となり、1947年にダイムラー・ベンツ社製エンジンを搭載した試作車5台が完成。戦争協力したダイムラー・ベンツ社には連合国から車両生産許可がおりていなかったため、1948年より工作機械メーカーのボーリンガー社でボーリンガー70200として本格的な生産が開始された。


グリルには大型のメルセデス・ベンツのマーク。重すぎて1人で運び降ろすことができないスペアタイヤの載った荷台など【写真23枚】



ウニモグの特徴の1つでもあるエアインテーク。深い雪の中や川の中での作業を可能とするため上方から吸気する形状になっている。もちろん雨などの影響を受けないよう先端は傘状になっている。





ホイールは純正オリジナルのスチール製。サイズは12.5J×20インチ。タイヤはコンチネンタルのMPT E6。サイズは驚きの365/60R20。





最大積載量は2000kgと広大なスペースを持つ荷台。ちなみに荷台に載せられたスペアタイヤは重すぎて1人で運び降ろすことができないとのこと。





【2】【3】に続く

1971年式 ダイムラー メルセデス・ベンツ ウニモグ
SPECIFICATIONS 諸元
全長4070mm
全幅2050mm
全高2500mm
ホイールベース2380mm
車両重量3850kg
乗車定員2名
最大積載量2000kg
最高速度90km/h
登坂能力70%
エンジン型式OM352/3型
エンジン種類水冷直列6気筒SOHCディーゼル
総排気量5675cc
最高出力82.8ps/2550 rpm
最大トルク26.4kg-m/1600rpm
燃料タンク容量80L
変速機前/後18速(3×6)/6速(2×3)
可変排気ブレーキ
タイヤ前/後365/60R20
発売当時価格約800〜1500万円程度
(フルオーダーに近い車両のため定まった価格は存在しない)


初出:ノスタルジックヒーロー 2015年 04月 Vol.168 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1971年式 ダイムラー メルセデス・ベンツ ウニモグ (全3記事)

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photo : NOBUTAKA KOREMOTO/是本信高

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