純正部品を組み合わせ「ウルトラモディファイクラス」にエントリー。自らのZに込めた思い|1972年式 日産 ダットサン 240Z Vol.2

日本・欧州仕様のテールレンズにバックフォグを組み込んだテールレンズと日本仕様のリアスポイラーを装着。マフラーは純正の新品部品を装着。ナンバープレートは歴史的価値があると認定されたクルマだけが取得できる特別なもので、ナンバーフレームは、このクルマが1973年3月、新車で販売をしたディーラー「ハーバーダットサン」の当時ものをレストアして装着している。

       
【1972年式 日産 ダットサン 240Z Vol.2】

【1】から続く

 数え切れないほどのZに接し、S30Zデザイナーの松尾良彦さんとも交流の深いアメリカでZの専門店や、車両の輸出入業を営む人物。そんな彼が自らのZに込めた思いを知りたくて、愛車の240Zを見せてもらった。

 ゆがみのないストレートボディは、景色の映り込みの美しさで、状態の良さを知ることができる。エクステリアやインテリアはもちろん、エンジンルームやシャシーまで徹底的にレストアが施されたZは、まるでついさっきラインオフしてきた新車のようだ。レストアに際してはすべての部品に純正部品を使用するという徹底したこだわりが、そうした印象につながっているのだ。

 ただし、彼が目指したのは、たんにコンクールコンディションであることだけではなく、自ら理想と考える「究極」のZを具現化することだった。

 実は、そのZには、北米仕様では存在しなかった数々の部品が装着されている。北米には存在しなかったZ432用のマグホイールはじめ、ヨーロッパ仕様のフロントスポイラー、さらにストップウオッチ付き時計やリアスポイラー、フォグランプやフットレストなどは、いずれも日産純正部品ではあるが、北米仕様には設定がなかったものだ。それゆえ、前述の「Zカーコンベンション」では、1969〜2014年までの全年式が対象となる「ウルトラモディファイクラス」でのエントリーとなっているのだ。

基本はオリジナルに忠実にレストアされているインテリアや、ポリッシュ仕上げを施した上で装着した日本仕様のみに設定されていたウインドーバイザーなど【写真28枚】







メーター類もすべて新品パーツを使用する。0mphから始まる1972年式以降のスピードメーター(1971年式までは20mphから)と6500rpmからイエローゾーンとなるタコメーター。





オリジナルを忠実に再現したレザーで張り替えられたシート。シボのデザインはオーナーがこだわって独自にオーダーしたものだ。


【3】に続く


1972年式 日産 ダットサン 240Z
SPECIFICATIONS 諸元
全長 162.8in
全幅 64.1in
ホイールベース 90.7in
エンジン型式 L24型
エンジン種類 直列6気筒SOHC
総排気量 2393cc
ボア×ストローク 83.0mm×73.7mm
圧縮比 9.0:1
最高出力 151bhp/5600rpm(SAE)
最大トルク 146lb-ft/4400rpm(SAE)
キャブレター SU×2
変速機 フルシンクロメッシュ式前進4段・後退1段
最終減速比 3.36
サスペンション前/後 マクファーソンストラット式独立懸架/セミトレーリングアーム式独立懸架
ステアリング形式 ラックアンドピニオン式ロック・トゥ・ロック2.7回転
ブレーキ前/後 10.7inディスク/9in×1.6inドラム
ホイール前後とも 5J×14スチール
タイヤ前後とも 175HR14


初出:ノスタルジックヒーロー 2015年 04月 Vol.168 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1972年式 日産 ダットサン 240Z(全3記事)

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text : NOSTALGIC HERO/編集部  photo : AKIO HIRANO/平野 陽

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