徹底的なレストア! 全米のZ Carマニアが驚嘆。Zに魅せられし男が造り上げた「究極」のZ|1972年式 日産 ダットサン 240Z Vol.1

1971〜73年式の日本仕様に装着されたスポークの浅い穴開きタイプのステアリングが装着されたインテリアも基本はオリジナルに忠実にレストアされている。

       
【1972年式 日産 ダットサン 240Z Vol.1】

 総生産台数約54万台のうち、8割以上が海外での販売となったS30Z。特に北米での人気は圧倒的で、S30Zを愛し、今なお活発に活動を続けているクラブが数多く存在する。

 2014年、全米のZカーオーナーが一堂に会するイベント「Zカーコンベンション」において、歴史的な出来事が起こった。

 S30Zデザイナーの松尾良彦さんが、当時、Zの派生モデルとして構想を描いていた「スポーツワゴン」を再現するプロジェクトが完遂され、「幻」の存在となっていたZスポーツワゴンがお披露目されたのだ。

 まるで、実在していたクルマをレストアしたかのような完成度を誇る、Zスポーツワゴン(S30Zスポーツワゴン再現プロジェクト)を造り上げたのは、アメリカでZの専門店や、車両の輸出入業を営む人物だ。そんな彼は、また一人のZカーマニアでもある。

 数え切れないほどのZに接し、松尾さんとも交流の深いその人物、彼が自らのZに込めた思いを知りたくて、愛車の240Zを見せてもらった。

 ゆがみのないストレートボディは、景色の映り込みの美しさで、状態の良さを知ることができる。エクステリアやインテリアはもちろん、エンジンルームやシャシーまで徹底的にレストアが施されたZは、まるでついさっきラインオフしてきた新車のようだ。レストアに際してはすべての部品に純正部品を使用するという徹底したこだわりが、そうした印象につながっているのだ。

イギリス、フランス、ポルトガル仕様に設定されていたウレタン製フロントスポイラーなど【写真28枚】




グリルは日本仕様の純正品で、フォグランプは当時の日産純正部品。






フロントフェンダーに装着されるエンブレムはフェアレディではなくダットサン。これも純正の新品部品を装着している。






日本仕様のみに設定されていたウインドーバイザーを、ポリッシュ仕上げを施した上で装着。



【2】【3】に続く

1972年式 日産 ダットサン 240Z
SPECIFICATIONS 諸元
全長 162.8in
全幅 64.1in
ホイールベース 90.7in
エンジン型式 L24型
エンジン種類 直列6気筒SOHC
総排気量 2393cc
ボア×ストローク 83.0mm×73.7mm
圧縮比 9.0:1
最高出力 151bhp/5600rpm(SAE)
最大トルク 146lb-ft/4400rpm(SAE)
キャブレター SU×2
変速機 フルシンクロメッシュ式前進4段・後退1段
最終減速比 3.36
サスペンション前/後 マクファーソンストラット式独立懸架/セミトレーリングアーム式独立懸架
ステアリング形式 ラックアンドピニオン式ロック・トゥ・ロック2.7回転
ブレーキ前/後 10.7inディスク/9in×1.6inドラム
ホイール前後とも 5J×14スチール
タイヤ前後とも 175HR14


初出:ノスタルジックヒーロー 2015年 04月 Vol.168 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1972年式 日産 ダットサン 240Z(全3記事)

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text : NOSTALGIC HERO/編集部  photo : AKIO HIRANO/平野 陽

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