コンセプトモデルEX‐1の面影を残して登場した初代|1974年式 トヨタ セリカ1600 GTV Vol.1

:スポーティーなハニカムマスクの中央にGTVのエンブレムが付く。

       
【1974年式 トヨタ セリカ1600 GTV Vol.1】

「スペシャルティカー」という言葉は、セリカのデビューと同時に世の中に発信された。セリカのコンセプトモデルは、1969年10月に東京・晴海で開催された第16回東京モーターショーに展示された、トヨタEX‐1だった。ルーフをかなり低くし、曲面で構成されたエクステリアは、未来のクルマを予感させるに十分な存在感があった。

 そして1970年12月、EX‐1の面影を残す、曲面を多用した独特のエクステリアをまとってセリカは登場した。人々をあっと言わせたのは「フルチョイス・システム」という新しいクルマの選び方の提案。エンジン、トランスミッション、エクステリア、インテリアを好みや予算に合わせて選択し、自分にぴったり合ったセリカの組み立てを工場に注文できるというもの。同じような仕様のものを大量に造って売るというトヨタの乗用車生産の考え方からすれば、このフルチョイス・システムは大きな試み、いや冒険だったはずだ。


GTVの文字が入る中期型のフロントフェンダー前端など【写真24枚】





中期になり、セリカのロゴの書体が変更された。シンボルマークの飛竜も健在。





ストライプには、ユニコーン(一角獣)のシンボルが入る。





VictoryのVをその名に冠したホットモデル


【2】【3】【4】に続く

1974年式 トヨタ セリカ1600 GTV(TA22)
SPECIFICATIONS 諸元
全長 4235mm
全幅 1610mm
全高 1300mm
ホイールベース 2425mm
トレッド前/後 1300/1305mm
最低地上高 165mm
車両重量 990kg
乗車定員 5名
最高速度 185km/h
登坂能力 tanθ0.54
最小回転半径 5.2m
エンジン型式 2T-GR型
エンジン種類 水冷直列4気筒DOHC
ボア×ストローク 85×70mm
総排気量 1588cc
圧縮比 8.8:1
最高出力 110ps/6000rpm
最大トルク 14.0kg-m/4800rpm
変速機 フルシンクロメッシュ式前進5段・後退1段
変速比 1速 3.587/2速 2.022/3速 1.384/4速 1.000/5速 0.861/後退 3.484
最終減速比 4.100
燃料タンク容量 50L
ステアリング形式 リサーキュレーティングボール式
サスペンション前/後 マクファーソン・ストラット式コイルスプリング/4リンク・ラテラルロッド付コイルスプリング
ブレーキ前/後 ディスク式/リーディング・トレーリング式
タイヤ前後とも 185/70HR13
発売当時価格 106.3万円


初出:ノスタルジックヒーロー 2015年 04月 Vol.168 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1974年式 トヨタ セリカ1600 GTV(全4記事)

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photo : SATOSHI KAMIMURA/神村 聖

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