3台めのS30Zは「極初期型で貴重なオリジナル部品をほとんど残していた個体」|1970年式 日産 フェアレディZ432 Vol.2

PGC10スカイライン2000 GT-Rに搭載され、1969年2月にカタログモデルとして世に送り出されたS20型エンジン。

       
【1970年式 日産 フェアレディZ432 Vol.2】

【1】から続く

 本誌読者の皆さんにとって、すでにおなじみのS30Zではあるが、いつかは自分のものにしたいと、いまだに恋い焦がれているファンも少なくないはず。1台持てれば十分幸せになれると思うが、世の中にはすごい人がいるもので、良好なコンディションのS30Zを3台も並べている人がいる……。

 取材車両、1970年式フェアレディZ432のオーナーは、このほかに1970年式ダットサン240Z(ブルー)と1971年式ダットサン240Z(オレンジ)を所有。Zをこよなく愛し、Zでどこへでも走っていく行動派のオーナーは、Zに関することすべてが知りたいと探求心も旺盛。資料探しだけでは足りず、その道のオーソリティーとの懇談など、まさに「Z道」を極めるべく突き進んでいる。
 今回のモンテカルロシルバーのZ432は、7年前に手に入れたという。

「あるショップでレストア作業に入ったばかりの状態で、極初期型で貴重なオリジナル部品をほとんど残していた個体でした。クルマとの出合いは人との出会いであると私は思います。今はフルレストアが終わり落ち着いていますが、たくさんの人たちの協力があって、ここまで仕上がりました」。


10000rpmまで目盛りが切られたZ432専用タコメーター、L20型エンジンとは逆の左にバンクしたS20エンジンなど【写真24枚】



PGC10スカイライン2000 GT-Rに搭載され、1969年2月にカタログモデルとして世に送り出されたS20型エンジン。同年11月にオイルパンの形状や補機類のレイアウトなどを変更してZ432に搭載された。同じ車体に左にバンクしたクロスフローのS20型と右にバンクのカウンターフローのL20型を載せたわけで、当時の車体設計陣の苦労がしのばれる。






PS30の表記がある型式プレート。






マフラーはオリジナルのデュアルエキゾーストを装着。ただしオーナーのこだわりで、後ろからの見栄えをよくするため、エキゾーストパイプの通る位置をミリ単位で上げているためスッキリ見える。



【3】【4】に続く


1970年式 日産 フェアレディZ432(PS30)
SPECIFICATIONS 諸元
全長 4115mm
全幅 1630mm
全高 1290mm
ホイールベース 2305mm
トレッド前/後 1355/1345mm
最低地上高 165mm
車両重量 1040kg
乗車定員 2名
最高速度 210km/h
登坂能力sinθ 0.420
最小回転半径 4.8m
エンジン型式 S20型
エンジン種類 水冷直列6気筒DOHC
ボア×ストローク 82×62.8mm
総排気量 1989cc
圧縮比 9.5:1
最高出力 160ps/7000rpm
最大トルク 18.0kg-m/5600rpm
変速機 フルシンクロメッシュ式前進5段・後退1段
変速比 1速 2.957/2速 1.858/3速 1.311/4速 1.000/5速 0.852/後退 2.922
最終減速比 4.444
燃料タンク容量 60L
ステアリング形式ラック&ピニオン式
サスペンション前/後 独立懸架ストラット式/独立懸架ストラット式
ブレーキ前/後 ディスク式/リーディングトレーリング式
タイヤ前後とも 6.95H-14-4PR(マグネシウム合金ホイール)
発売当時価格 185万円


初出:ノスタルジックヒーロー 2015年 04月 Vol.168 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1970年式 日産 フェアレディZ432(全4記事)

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photo : ISAO YATSUI/谷井 功

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