「オーバーホールや排気量アップもいいけど、だったら1JZ型に積み替えてみたい」|1985年式 トヨタ ソアラ 2.0GT ツインカム

ハイパワーの1JZ-GTE型を搭載した、ソアラ版「羊の皮をかぶったオオカミ仕様」。

       
【1985年式 トヨタ ソアラ 2.0GT ツインカム24 Vol.3】

【2】から続く

  フルノーマルでボディで走行距離が4万5000kmのトヨタ ソアラ 2.0GT ツインカム24を衝動買いしたオーナー。3年半通勤に使用したが、趣味のクルマに格上げ、デッドストックのホイールを装着するなどしてカーライフを楽しんでいた。

 快調に走っていたソアラに異変が起きはじめた。ノーマルの1G型エンジンが音を上げはじめ、マフラーから白煙が出るようになってきたのだ。そこでオーナーは車両を購入した愛三カーフィールド山田浩比虎社長に「オーバーホールや排気量アップもいいけど、だったら1JZ型に積み替えてみたい。その場合、車高調はそのままでもいけるのだろうか」と相談。山田社長としては1G型の2G化を考えていたそうだが、オーナーがやる気なら、ということで将来的なステップアップ、例えばタービン交換などにも対応できるようなメニューを考え、商売度外視のチューンナップを行なった。

 そのメニューとは、カム交換をした1JZ型をHKSのFコンVプロで制御し、インタークーラーや1JZ型用ラジエーターなどとスワップ。駆動系はATミッションを5MTへと換装し、デフを7.5インチから8インチに変更。それにともないGX71ツインターボ車用純正リアメンバーの加工装着などといったもの。本来ならばパワーアップにともなってブレーキのチューンも行うつもりだったそうだが、予算の関係からこれは今後の課題となっている。

 現在は通勤の足として別のクルマがあり、このGZ10ソアラは趣味のクルマに格上げされているため、ブレーキ回りに関しては、じっくりとパーツを吟味してチューンをしていく予定だ。

1JZ型換装と同時にATから5MTにコンバートしているため、AT用のカバーを外してブルーのシフトブーツが被せられているコンソール回りなど【写真14枚】




載せ換えられた1JZ-GTE型エンジンは、現在はノーマルタービンだが、たとえばT78タービンへの交換などにも対応できるよう、補機類などを交換してある。搭載位置は当初、プロペラシャフトに合わせていたが、インタークーラー搭載スペースを確保するため、のちに後ろへとズラしたそうだ。






ラジエーターは1JZ型純正品を加工流用。オイルクーラーとインタークーラーはトラスト製で、インタークーラーはGT-Rサイズのものをセット。






カムは264度を組み込みし、HKSのスライドプーリーでバルタイを調整している。制御は、FコンVプロ(金プロ)のみで行っている。



1985年式 トヨタ ソアラ 2.0GT ツインカム24(GZ10)
SPECIFICATIONS 諸元
● エンジン:1JZ-GTE型(ツインターボ)/HKS製ハイカム(IN264/EX264)、スライドカムプーリー、F-CON V Pro
● 吸気系:ワンオフアルミパイピング/トラスト製エアーインクス
● 排気系:ワンオフSUSφ80mmマフラー(メインφ80mm、出口φ100mm)
●点火系:トラスト製レーシングプラグ
● 冷却系:1JZ型用ラジエーター(加工流用)/トラスト製2層インタークーラー(GT-Rサイズ幅600mm加工流用)、
エレメント移動式13段オイルクーラー/ワンオフシュラウド
● 駆動系:5速MT載せ替え/OS技研製ツインプレートクラッチ/8インチデフに変更(プロペラシャフトも変更)/
GX71用リアメンバー(加工)/TRD製LSD
● 足回り:愛三カーフィールドオリジナルフルタップ車高調(リアコイルオーバー式に変更)
● タイヤ:ヨコハマ・DNAエコス (F)215/45R17 (R)215/45R17
● ホイール:共豊コーポレーション・メイストーム 17×6.8J +28
●インテリア:Defiタコメーター


初出:ノスタルジックスピード 2015年11月 Vol.008(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1985年式 トヨタ ソアラ 2.0GT ツインカム24(全3記事)

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text : MAKOTO SHIOMI/塩見 誠 photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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